約 3,642,735 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1647.html
前編 (注)何の罪も無い、純粋で心優しいゆっくりが酷い目に遭います。 ゆっくり姉妹 後編 庭への扉を開け、まりさの姿を探す。あれから六日も経っているので、 もう諦めて帰ってしまったかもしれないと思っていたが、それは杞憂だった。 まりさは扉の近くでぐったりとしていた。何度も扉に体当たりしたのか、全身ぼろぼろだった。 その様子を見れば、六日間、自分の事を顧みず、ただひたすらに姉を救おうとしていた事がわかる。 れいむの為にここまでやるとは、驚いたな、六日前はただの甘ったれたゆっくりに見えたんだが。 僕はまりさを掴み、自分の顔の高さまで持ち上げる。 「ゆぅ……。お、おにいさん!」 それまで虚ろだったまりさの瞳が、僕の存在を視界に捉えた途端、生気を取り戻す。 「おにいさん! まりさ、すごく怒ってるよ! おねえちゃんをかえしてくれないと、おにいさんとはゆっくりできないよ!」 まりさは顔を真っ赤にして僕の手の中で暴れる。 半死半生の体の、どこにこんな力が残っていたのだろう。 姉を思う強い気持ちが、底知れぬエネルギーを生み出しているのかもしれない。 なかなか大した奴だ、僕はまりさの事が少しだけ好きになった。だから、優しく声をかけてやる。 そういえば、まりさに話しかけるのはこれが初めてだな。 「じゃあ、お姉ちゃんに会わせてあげるよ」 「ゆ!? 本当!? やったあ! おにいさん、ありがとう!」 金剛力士像そっくりだったまりさの怒り顔が、えびす様のようにほがらかになる。 おまけに僕にお礼まで言う始末だ。こいつ、誰がれいむを誘拐したのか忘れてしまったのか? 「どういたしまして。まりさは疲れてるだろうから、僕が連れて行ってあげるね」 「ゆゆ! おそらをとんでるみたい!」 僕に抱えられると、まりさはキャッキャとはしゃぎだした。 六日前、同じような体勢から地面に叩きつけられた事をすっかり忘れてしまっているらしい。 なんとまあ、おめでたい生き物だ。まあ、単純な方が『ゆっくりすること』に都合が良いのだろう。 僕はまりさを抱えて家の中に戻ると、庭の扉を閉めて、れいむの部屋へと歩き出す。 まりさは廊下に飾られた絵画や調度品を見て、楽しそうに笑っていた。 「きれいなものがたくさんあるよ! おにいさん! とっても素敵なおうちだね!」 「そうかい? どうもありがとう」 にっこりと微笑んでそう答えてやると、 まりさは嬉しそうに僕の腕に頬をすり寄せる。随分と人懐っこい奴だ。 僕は、まりさの事を可愛いと思い始めていた。 六日前は『鬱陶しい』『やかましい』としか感じなかったのに、何故だろう。 おそらく、れいむがいつまで経っても僕の事を好きにならなかったから、 すぐに懐いてくるまりさを、愛おしく感じるのだと思う。僕はまりさの頭を優しく撫でてやる。 「ゆゆ~ きもちいいよ! おにいさんは優しいから、まりさ、すごくゆっくりできるよ!」 ついさっき、『れいむを返すまでは僕とはゆっくりできない』、 と言っていたのに、忘れっぽい奴だな。でも、そんな能天気な所が、とても可愛いと思う。 だが、今の僕にとって『可愛い』というのは、『傷つけたい』という事だ。 これから自分がどんな目に遭うか教えてやったら、この無邪気な笑顔がどんな風に歪むのかな。 そんな事を考えると、自然と口元から笑みがこぼれた。 やがて、れいむの部屋の前に戻ってくると、まりさを廊下に下ろし、鍵を開ける。 ドアを少しだけ開けて中の様子を伺うと、れいむは憔悴しきった顔で、呆然と中空を見つめていた。 もう、涙も枯れてしまったらしい。困ったな、これからが本番なのに。 まあ、妹に会わせてやれば、元気になるだろう。僕はドアを全て開いて、まりさを部屋の中に入れてやる。 「おねえちゃん!」 「………まりさ?」 まりさの元気な声に、生きる屍のようだったれいむがぴくりと反応する。 そして、乾ききっていた瞳が最愛の妹の姿を捉えると、枯れたはずの涙が洪水のように溢れ出す。 その涙は、誘拐されてから流し続けてきた、恐怖と悲しみの涙ではない、暖かい、喜びの涙だった。 「まりさ…! まりさあああ!!!」 「ゆ~! おねえちゃん~! くるしいよ~!」 れいむがあまりにも激しく擦り寄ってくるので、まりさは少し苦しそうだった。 それでも、嬉しそうに姉の頬を舐めている。ゆっくり姉妹、感動の再会だ。 「ご、ごめんね! つい嬉しくって! これじゃ、ゆっくりできないね!」 「ううん! おねえちゃん、とってもいい匂いがするよ! すっごくゆっくりできるよ!」 自分の行動を恥じて、妹から離れようとするれいむの頬に、まりさは自分の頬をすり寄せる。 いい匂いがするのは当然だ。僕が毎日風呂に入れて、人間用の高級ボディソープで体を洗い。 髪にはリンスまでつけてやっていたのだ。野生のゆっくりの甘ったるいだけの匂いとは大違いだろう。 「本当? うれしいな! まりさにそう言って貰えるのが、一番うれしいよ!」 ニコニコと笑って、ぴょんぴょん飛び跳ねるれいむ。すっかり元気を取り戻したようだ。 さて、そろそろ良いかな。僕は、感涙に咽ぶれいむに優しく語りかける。 「れいむちゃん。君の言うとおり、まりさはとっても可愛いね。だから、ここに連れて来たよ」 「おにいさん、ありがとう! 本当にありがとう!」 れいむは心から幸せそうな顔で、僕に感謝の気持ちを伝えてくる。 おやおや、お礼を言うのは、まだちょっと早いんじゃないかな? 人の話は最後まで聞こうね。 「それじゃ、今からまりさを殺すね」 「うん! そうだね! ………え?」 幸せな表情のまま固まるれいむ。その姿は、まるで縁起の良い置物のようだ。 「どうし…て?」 「どうしてって、さっき、部屋を出る前にそう言ったじゃない」 「で、でも…まりさの事、可愛いって…」 「そうだね。殺したいくらい可愛いね」 ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる 僕の足にも振動が伝わってきそうなほど強く震えるれいむ。小さな歯が、ガチガチと音を立てる。 そして、先程まで幸福な涙を流していた瞳からは、とめどなく悲涙が流れ落ちていた。 良い顔だ。すごく可愛いよ。れいむちゃん。 「ゆ~ そんなに褒められたら、まりさ、はずかしいよ~」 まりさは、僕とれいむのやり取りを、騒ぎもせず聞いていた。 その表情には危機感のかけらもない。それどころか、先程から可愛い可愛いと言われて、照れていた。 この部屋まで自分を優しく抱っこして連れて来た人間が、酷い事をするはずがない、と思っているのだろう。 六日前の僕なら、甘ったれた考え方のまりさを不快に感じただろうが、 今の僕は、まりさのそんな子供っぽい所を愛おしく思った。 純粋で、とっても可愛いまりさ。大好きだよ、殺したいくらいね。 僕がゆっくりとまりさに手を伸ばすのを見て、れいむが絶叫する。 「まりさあああ!!! 逃げてえええ!!!」 「ゆゆっ!?」 さすがのまりさも、れいむの悲鳴にただならぬものを感じたのか、素早く僕の手を逃れる。 そして、そのまま部屋の隅に置いてある、小さなベッドの下に隠れてしまった。 なるほど、れいむが自慢するだけの事はある。まるでウサギのようなすばしっこさだ。 「すごいなあ。これなら確かに、れみりゃからも逃げ切れそうだね」 僕はそう言いながら、れいむに食べさせたショートケーキの残りが乗っているガラステーブルに向かう。 まりさにケーキをご馳走する為ではない。さっき使ったケーキナイフを手に取るためだ。 長さ30cm程度の鋭い刃物。甘いお菓子を切断する為だけに生まれた道具。 ゆっくりを傷つけるのに、これほど適した物が他にあるだろうか。 「まりさ! 隠れててもすぐに捕まっちゃうよ! もっと動きやすい所にいないとだめだよ!」 れいむがまりさに向かって、実に適切な助言をする。 その通りだった。ただ怯えて隠れているだけなら簡単に捕まえる事が出来るが、 あの俊敏さで逃げ回られたら、狭い部屋の中とはいえ、捕獲するのは容易ではないだろう。 れいむの聡明さに、今更ながら感服する。だが、まりさの知能ではその作戦を理解する事は出来なかったようだ。 「だいじょうぶだよ! おねえちゃん! ここなら、体の大きなおにいさんは入ってこれないよ!」 まりさは自信満々にそう言い放つ。まりさが隠れている場所は、 僕がれいむのために用意した、1平方メートルの広さの、ゆっくり専用ベッドの下だった。 そこには、丁度まりさ一匹が収まるくらいの隙間があった。 「なるほど、確かに僕の体じゃそこには入れないね。うーん、これは困ったぞ」 僕は、わざとらしく困った振りをしながら、まりさの元に近づいていく。 その様子を見ていたれいむが、すごい剣幕でまりさを怒鳴る。 「まりさ! 急いでそこから出て! そこにいちゃだめえ!」 そんなれいむの必死な姿とは正反対に、まりさは何故姉がそんなに焦っているのか分からない、といった顔だった。 僕が『僕の体じゃそこには入れない』と言った事で、ベッドの下は安全地帯だと信じきっているのだろう。 馬鹿だなあ。でも、そんな所も可愛いね。そう思いながら、僕はベッドの下に左腕を入れて、まりさの体をしっかりと掴む。 「つかまえた」 「ど、どうしてぇぇぇええええ!? おにいさんは、ここには入れないのにぃぃぃぃいいいい!!!!」 そう、確かに僕の体はベッドの下には入らない。 だが、腕だけなら別だ。人間用の大きなベッドならともかく、 ゆっくり用の小さなベッドの下なら、まりさがどこに隠れていようと、掴む事ができる。 僕はまりさを引きずり出すと、その体を胸の前に持ってきて、そのままベッドの上に腰を下ろす。 そして、右手に握り締めたケーキナイフを 大げさに振りかぶり、少し待つ。 このまま振り下ろしてもつまらないからだ。 「まりさを放してぇぇぇぇぇぇええええ!!!!」 ほら来た。人間には決して敵わないと知りながらも、 妹を助けるために命がけで僕に向かってくる、優しいお姉さん。 すごいね、この六日間、怯えてばかりだった君が、妹のためになら、そんなにも強くなれるんだね。 れいむは丁度僕の膝の辺りに体当たりしようとしていたので、僕は閉じていた足を急に開く。 すると、突然攻撃目標を失ったれいむは、体当たりの勢いを止められず、僕の股の間に飛び込んでくる。 その瞬間、僕は両足の太ももを勢い良く閉じ、れいむの顔を挟み込む。 れいむは、まりさを見上げるような格好で僕の股ぐらに固定される。 これから始まるショーの、最高の特等席だ。 「ゆぐぅっ! …ま、まりさを放し…て…びぷっ!」 「やめでえ゙え゙え゙!! お゙に゙い゙ざあ゙んん!!! お゙ね゙え゙ぢゃんをい゙じめ゙ないでえ゙え゙え゙!!!!」 僕の太ももに強く圧迫され、苦しそうに餡子を吐き出しながらも、妹の身を案じるれいむ。 ナイフを突きつけられ、恐怖に震えながらも、姉の為に涙を流すまりさ。 最高だ。 最高のゆっくり姉妹だ。内臓が燃えるような興奮。先程から、僕の陰茎は痛いほどに怒張していた。 僕は、まりさの顔をれいむにくっつけてやる。そして、お菓子を切り刻むという宿命を果たす為に、 先程から出番を待っていたであろうケーキナイフを、まりさの右側頭部に思い切り差し込む。 「ゆ゙ぎゅぅぁぁぁあ゙ぁあ゙あ゙あ゙っぁあ゙ぁぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!」 「まりさ!!!!!! まりさあ!!!!!!! まりさぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!」 心地よい旋律が耳に染み渡る。僕は生まれてから今日まで、こんなにも素晴らしい音楽を聴いたことがない。 姉の絶望と悲しみ、妹の苦痛と恐怖が絶妙に絡み合う、究極のアンサンブル。れいむとまりさは最高の楽器だった。 「まりさ、痛い? ふふっ、ごめんね、痛いに決まってるよね。ナイフが体に刺さってるんだものね」 激痛に身を震わせるまりさにそう言って、僕は小さく笑う。 そして、より美しい旋律を生み出すため、 右手の調律棒をグリグリと回し、まりさの体内の餡子を引っ掻き回す。 「い゙だ、い゙だい゙ぃい゙ぃっ! い゙ぢゅあ゙い゙い゙ぃぃっ!! お゙ね゙え゙ぢゃんだずげでぇえ゙ぇっ!!!」 「やめて! お兄さん、やめてえ! まりさ、痛がってる!! とっても痛がってるからあああああ!!!」 僕は、ゆっくり姉妹の悲鳴にうっとりとしながら、 まりさの頭に突き刺さったケーキナイフをじわじわと引き抜いてゆく。 まるで、ナメクジが這うような、遅鈍な動きで。 「ぐぎゅ゙ぐあ゙ぁぁぁあ゙あ゙あ゙ぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙!!!!! ぐがぐぐぐぐゔががががが!!!!!!!」 「お兄さん!!! そんなにゆっくりしないでえ!!!! もっと速く抜いてあげてぇぇえええ!!!!!」 れいむの哀訴を無視して、僕はナイフを引き抜く手をピタリと止める。 そして、父親が娘に語りかけるように、優しく声を掛ける。 「れいむちゃん、悲しい? 悲しいよねえ。可愛い可愛いまりさが、目の前で苦しんでるんだから」 そこまで言って、半分以上抜けていたナイフを、再びまりさの中にぶち込む。 「えががががあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っぁあ゙ぁぁぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁあ゙あ゙あ゙!!!!!!!」 「まりさぁぁぁぁあああ!!! もうやだぁ!!!!!! やだああぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!」 僕の呼吸は、体内を駆け巡る途方も無い快楽により、突進寸前の猛牛そっくりに荒くなっていた。 脳味噌が沸騰しているかのような錯覚を受ける程の、異常な陶酔感。 知らなかった。世の中に、こんなにも気持ちの良い事があるなんて。 もう、長く楽しむために手心を加えて痛めつける、なんて事を考える余裕は無かった。 ただ、めくるめく喜びを得るため、狂ったようにまりさの顔をメッタ刺しにする。 「ゆ゙ぎぃっ! ぐぎゃあ゙っ! や、やめ…べっ! げぼぉっ! もう、や゙め゙、ぶべぇっ! や゙…め゙…」 「ああああぁぁぁぁ…。まりさのあんこがなくなっちゃう…。このままじゃ、なくなっちゃうよおぉぉぉ…」 傷口から餡子がだくだくと流れ出し、まりさの瞳から、生命の輝きが消失していく。 れいむは、まりさの口から吐血のように吹き出される餡子を全身に浴びながらも、 自分の顔についた餡子を舌で掻き集めて、まりさの口に戻そうとしている。だが、それは無駄な努力だった。 やがて、まりさの顔色は白蝋のようになり、もちもちとしていた皮は、ほとんど弾力を失っていた。 死の一歩手前、といった所だろうか。僕は、最高の絶頂を迎えるために、 最後に残った理性で、ナイフを振り下ろす腕を止める。 「まりさ、お別れだよ。最後に、お姉ちゃんに言いたい事はないかい?」 「ゆ゙…ゆ゙ぅ…お゙わ…がれ…」 まりさは、れいむのように賢くない。 だが、さすがにもう自分が助からない事は分かるのだろう。 そして、今を逃せば、もう姉と話す事が出来る機会は二度とやってこない、という事も。 「お゙ね゙…お゙ね゙え゙…ぢゃ…ん…」 真理を悟った聖人のような表情でれいむに語りかけようとする。 だが、『お別れ』と言う言葉を聞いたれいむは、僕の足の間で狂ったように暴れだした。 「だめ!! だめぇぇぇええ!!!!! ぜったいにだめぇぇぇぇええええええええええ!!!!!」 そんな姉の慟哭が、聞こえているのか、いないのか、 まりさは、感嘆するほど穏やかな面持ちで、れいむに自らの気持ちを伝える。 「お゙…ね゙え゙ぢゃん…だい゙ずぎだよ…まりざが…いなぐなっでも…ゆっぐりじでいっでね…」 「いやだよお! そんな事、言わないでよお! いつまでも、二人でゆっくりしようよお!!」 れいむは、血みどろ…いや、餡子みどろのまりさの顔の傷を懸命に舐めている。 どうやら、怪我の治療をしているつもりらしい。賢いれいむなら、そんなことをしても、 もうまりさの命は助からない事が分かっているだろうに。 いや、賢いからこそ、妹が死んでしまうという事実を認められないのかもしれない。 「上手にお別れが言えたね。えらいよ、まりさ。それじゃあ、さようなら」 僕は柔らかくまりさに微笑むと、その眉間にナイフを突き刺す。 そして、人間で言うならば心臓にあたるであろう、餡子の中心部分をえぐった。 すでに死にかけだったまりさは、叫ぶ事もなく、静かにその生涯を終えた。 そんな、物言わぬまりさの代わりに、れいむが今日一番の叫び声を上げる。 「ま゙ぁり゙ぃざぁぁぁぁっあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っあ゙ゔゔあ゙っぁぁぁあ゙あ゙ぶゅぅゔゔば゙ば゙ば゙あ゙!!!!!!」 凄まじいショックのせいだろう、れいむは大量の餡子をぶちまけながら絶叫する。 そのため、今まで一度もよどむ事の無かった、清流を連想させる程の綺麗な声が、泥水のように濁った。 それは、れいむの生涯で最大の苦しみが訪れた事を知らせるシグナルだった。 その神々しい調べを聞いた瞬間、僕は射精していた。 一度、二度、三度、吐き出された精液が下着を汚していく。今まで経験した事が無い、長い長い絶頂。 全身が痙攣を起こしたように震え、目が霞む。四度、五度、六度、僕は精を放ち続け、七度目の放精で、意識を失った。 どれくらい気を失っていたのだろうか。 朦朧とした意識で目を覚ますと、僕の足元には、ナイフが刺さったままのまりさが転がっていた。 いや、『まりさだったもの』と言った方が適切かもしれない。 なぜなら、その物体は口らしきもの以外は全てズタズタに切り刻まれていて、 餡子と皮のぐちゃぐちゃとした塊になっていたからだ。 れいむは、その『まりさだったもの』の側に寄り添う形で息絶えていた。さっき叫んだ時に、餡子を吐き出しすぎたのだろう。 今日一日だけで、一生分の涙を流しつくしたであろうその顔は、ほとんどの餡子が抜けてしまった事もあって、 さながらエジプトのミイラのようだった。これも、『れいむだったもの』と言った方が適当な気がする。 窓から差し込む血のように真っ赤な夕日が、二匹の死骸を朱色に染め上げていた。 それは、一般的な感性を持つ人が見たならば、思わず嘔吐してしまうような、グロテスクなオブジェ。 でも僕は、そんな『れいむだったもの』と『まりさだったもの』の姿を、世界で最も美しいと感じていた。 そして、『また今日のような素晴らしい快感を味わいたい』と思っていた。 翌日。僕は朝早く起きて、庭にゆっくり姉妹のお墓を作ってあげた。 墓標は、まりさの命を奪ったケーキナイフだ。なかなか、しゃれた墓になった。 さようなら、れいむとまりさ。天国で、ゆっくりしてね。 お墓を作り終えると、僕はそのまま庭でデッキチェアに腰掛けた。 今日、仕事は休みなので、ここで日光を浴びながら、のんびり過ごす事にしよう。 一度、家の中に戻り、紅茶を淹れ、昨日の残りのショートケーキと一緒に庭のテーブルへ運ぶ。 すると、その良い香りに誘われたのか、一匹のゆっくりが庭にやって来た。 金髪に、赤いヘアバンドのゆっくり。これは、なんて種類だったかな。そうだ、ゆっくりありすだ。 ありすは、しゃなりしゃなりと、気取ったような歩き方で僕の側までやってきた。 変わったゆっくりだな。そう思っていると、 ありすは、体を半分だけこっちに向けて、横目でちらっと僕の顔を見てこう言った。 「おにいさん! ど、どうしてもって言うなら、ゆっくりしてあげてもいいわよ!」 ありすの珍妙な態度に、僕は思わず吹き出した。こういうの、なんて言ったかな。 ツンドラ? いや、ちょっと違うな…。ええと…そうそう『ツンデレ』だ。 『ゆっくりしていってね!』と言う、お決まりの台詞が来ると思っていただけに、余計に可笑しかった。 「な、なに笑ってるの!? しつれいなおにいさんね!」 クスクスと笑う僕を見て、ありすはぷくっと頬を膨らませる。 だが、ここから出て行く様子は無く、庭の花壇や池を順番に見て回り、 『なかなかとかいてきね』などと言って、うんうんと頷いていた。 やがて、ゆっくり姉妹のお墓の前に来ると、不思議そうな声をあげる。 「おにいさん、これはなあに? これだけ、ぜんぜんとかいてきじゃないわ!」 それはそうだろう、丁寧に手入れされた花壇や池と違って、 盛り上がった土にナイフが突き刺さってるだけなのだから。 僕は気に入っているけどね。 「それはね、僕の大好きだった、友達のれいむとまりさのお墓だよ」 その言葉を聞いた途端、ありすは狼狽した様子で僕の元に駆け寄ってくる。 「ご、ごめんなさい! ありす、しらなかったの!」 ありすは泣きそうな顔で、僕の足に頬を擦り付けながら謝罪の意を表している。 ゆっくり姉妹のお墓を『全然、都会的じゃない』と言ってしまった事で、 僕の心を傷つけたと思っているらしい。 気取り屋だが、根は素直で優しいゆっくりのようだ。僕は、ありすの事を可愛いと思った。 その途端、心の中でサディズティックな欲望が膨らんでいく。 『可愛いありすを、ズタボロになるまで苦しめて殺したい』 我慢は出来なかったし、する必要も無かった。 僕は申し訳なさそうにしているありすを慰めるように、明るく笑いながら話しかける。 「ははは、大丈夫。気にしなくて良いよ。僕が殺したんだから」 「よかった! それじゃ、おわびにありすがともだちになって………ゆ? ころ、ころしたって? ゆ? ゆ?」 ありすは最初、僕の発言の異常さに気がつかなかったようだった。 それよりも、先程の自分の無神経な発言を僕が気にしていない事が分かり、ほっと息を吐いていた。 だが、その息を吐き終えて、楽しそうに話し始めた時、僕がおかしなことを言った事に気がついたらしい。 ありすの頭には、さかんにクエスチョンマークが浮かんだり消えたりしていた。 僕はその目障りな疑問符を吹き飛ばすために、ゆっくり姉妹のお墓から墓標であるケーキナイフを引き抜く。 刃には、まりさの餡子と土が血糊のようにべっとりとこびりついていた。 「だから、僕がれいむとまりさを殺したんだよ、このナイフで切り刻んでね。あ、れいむは違うな。あれは自然死だ」 しゃれたジョークでも飛ばしたかのようにケラケラと笑いながら、 僕はナイフの腹でありすの右の頬をぺたぺたと叩く。 ありすの桜色の頬が、こげ茶色に汚れていった。 「ど、どうして…? れいむとまりさ、悪い子だったの?」 『そうだよ、ものすごく悪い子達だったからおしおきしたんだよ』とでも言えば、納得するのかな。 でも、違うんだよ。れいむもまりさも、本当に良い子達だったんだよ。二匹の名誉のためにも、嘘はつけないよね。 「ううん、とっても良い子だったよ。それに、二匹ともすごく可愛かったよ」 今度はありすの左の頬をナイフの腹でぴたぴたと叩く。 鏡を見なくても、自分がいやらしい笑みを浮かべている事が分かる。 「じゃ、じゃあ…どうして? どうしてえ? ありす、わからないよお…」 ありすは大きな瞳からぽろぽろと涙をこぼしながら、小さな唇を、わなわなと震わせている。 まったく、たまらない顔をする。可愛いよ、ありすちゃん。 「僕はね、可愛いゆっくりを見ると殺さずにはいられないんだ。れいむとまりさも可愛かったけど、ありすちゃんもすごく可愛いね」 僕はそう言うと、餡子と土で汚れてしまったありすの頬をそっと撫でる。 手のひらから、震えが伝わってくる。僕が怖いんだね。そりゃ、怖いよねえ。 「いや…いやぁ…」 「ふふっ、少し前までは、もう少しまともな人間だったんだけどね」 恐怖のためだろう、ありすは金縛りにあったように動かなかった。 何の警戒もせずに、人間のテリトリーに入ってくるくらいだ、 生まれてからこの方、これほど恐ろしい思いをした事など無かったに違いない。 僕は、難なくありすを捕まえると、家の扉を開けて、乱暴に中へ放り込む。 「ゆきゃっ!」 ありすは可愛い悲鳴を上げて、廊下に倒れこむ。 「ありすちゃん、僕とかくれんぼして遊ぼうよ。今から百数える間に、好きな所に隠れてね」 僕は、倒れたままのありすに優しく微笑むが、ありすはいやいやと首を振るだけだった。 「やだ! やだあ!! もうおうちかえるう!!!」 「隠れないなら、今すぐ殺しちゃうよ」 『殺す』という言葉に、ビクリと反応するありす。 「ゆっ!? か、かくれんぼしたら、ありすのこと、ころさないの?」 ありすはおずおずと僕に尋ねてくる。 「ううん、見つけたら殺すよ。だから、よく考えて上手に隠れてね」 「そんなのおかしいよぉぉぉぉおおおお!!!、ちっともとかいてきじゃないよぉぉぉぉおおおお!!!!」 「それじゃ、スタート。いーち、にーい、さーん、しーい…」 「だめぇぇぇぇええええええ!!!!! かぞえないでぇぇぇぇぇえええええええ!!」 ありすは僕の足にすがりついて、 死のゲームへのカウントダウンを止めさせようとする。 その必死な姿はどれだけ見ていても飽きないが、 このままではゲームにならないので、家の中に蹴飛ばして扉を閉める。 ありすはそれでも扉の向こうで『やめて、やめて』と喚いていたので、少し脅かしてやる事にする。 「百まで数え終わった時にまだそこにいたら、かくれんぼじゃなくて鬼ごっこになっちゃうよ?」 そう言ってから、僕は再び数字を数え始めた。ありす種はゆっくりのなかでは比較的賢い種類らしい。 ありすは、鬼ごっこよりはかくれんぼの方が、まだ生き残る可能性があると思ったのだろう、 わんわんと泣きながらも、家の奥に向かったようだった。僕は遠ざかるありすの泣き声を聞きながら、 自分でもうるさいと思うほどにゲラゲラ笑っていた。 僕の心は、複雑に絡み合う知恵の輪のように、グニャグニャに歪んでいた。 れいむとまりさに出会わなければ、こうはならなかっただろうか。 もしくは、まりさが最初に庭に入ってきた時、優しくしていれば、 今頃、れいむとまりさ、それにありすも一緒に、楽しくお茶でも飲みながら過ごしていたのだろうか。 『ゆぅ~! おねえちゃん! このケーキ、とってもおいしいよ!』 『まりさ! たべながらお喋りするのは、お行儀が悪いよ!』 『まりさはいなかものね! とかいはのありすは、しずかに紅茶をいただくわ!』 ふと、脳裏に楽しげな情景が浮かんで、なんだか悲しい気持ちになった。 そういえば、どうしてれいむをさらったんだっけ。最初は殺すつもりでは無かったはずだ。 何か、別の目的があった気がする。少なくとも、虐待するよりは、まっとうな目的が。 まあ、そんな事はどうでもいいか。これから圧倒的な興奮と快感が味わえるのだ。 正常な人間ならば生涯体験する事の無い、狂人だけが味わえる異常快楽。 歪んだ心というのも、まんざら悪いものではない。 「きゅーじゅういーち、きゅーじゅうに、きゅーじゅうさーん、きゅーじゅうしーい…」 さあ、もうすぐ百だ。ありすちゃん、上手く隠れられたかな。せいぜい楽しませてね。 僕はそう思いながら、ゆっくり姉妹に出会った一週間前のように、秋の空を仰ぎ見る。 高い高い青空に浮かぶ、ふかふかの絨毯のようなうろこ雲は、相変わらずとても美しかった。 おわり 作:ちはる このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2398.html
「突然申し訳ございません、少々お時間よろしいでしょうか?」 声がしたほうを見るとゆっくりがいた。正確に言えばゆっくりまりさと言われる種類のゆっくりだった。 「…」 飼いゆっくりの中には知能の高いものも多く、人間と同じように挨拶できるものも少なくない。 しかしこのように流暢に言葉を話すゆっくりはいなかったはずだ。 俺は他に今の言葉を発した人間がいるのではないかと思い周囲を見渡した。 「あの、すいません。私です、今喋っているのは目の前にいるゆっくりです」 またもや目の前のまりさが話す。どうやら気のせいではなかったようだ。 「少々聞いていただきたい話があるのですが」 それから数刻後、俺とまりさは俺の部屋にいる。 「こんにちは。ゆっくりしていってくださいね!」 俺の飼いれいむが俺とまりさにお茶を持ってきた。お茶といってもインスタントなのでボタンを押すだけなのだが それだけでもゆっくりにとってはかなり高い知能を有しなければできないことだ。とても利口で可愛い俺のれいむ… 落ち着いたところでまりさは話し始める。 まりさは自分のことを”セブン”と名乗った。セブンの話をまとめるとこうだ。 自分は人間の研究施設によって作られた”高い知能を持つゆっくり”であること。 自分の知能を悪用されることを恐れ研究所を脱走したとのことだった。 「現在、ゆっくりは完全に社会に浸透した存在となっています。 一般的にゆっくり達の知能は低いという認識があるため主要施設の周りをうろついても警戒されません。 人間達この認識を利用して開発されたのが私のように賢いゆっくりなのです。」 「知能が高いのはわかったけど所詮ゆっくりでしょ?盗聴くらいしか使い道ないんじゃないかなあ」 俺のつぶやきにセブンは答える。 「盗聴用ゆっくりは現在でも実用化されているみたいですね。ですが私は違います。」 まりさは帽子の中からおもむろに小型のパソコンとタッチペンを取り出した。 ペンを口に咥え器用にパソコンを操作する。 画面になにやら良くわからない文字の羅列やミサイルの設計図のようなものが現れる。 「これは研究所で開発を命じられた兵器の設計図です。まだ70%程度しか完成してませんが 完成すれば多くの人の命が奪われることになるでしょう。 このように私は人間を遥かに超えた知能を手に入れたのです!」 そう言って俺を見つめるセブン。なんだか急にセブンが俺を見下しているような気がしてきた。 俺の飼いれいむも最初はすぐ側で話を聞いていたが内容が理解できなかったらしく 俺の手によりそってすーりすーりしている。もちもちしたやわらかさが手に伝わる。やっぱりれいむは可愛いな。 「知能の高いゆっくりが増えれば世界は混沌としたものになったでしょう。 私はそれを防ぐため研究所を爆破し逃げることに成功しました。 しかし追っ手が迫っており一人では逃げ切ることができません。そこであなたに私をかくまって欲しいのです。」 「でもなんでセブンは研究所を爆破したんだ?そのまま研究所で働いていればゆっくりに都合のいい世界になったんじゃないのか?」 俺はふと思った疑問をセブンに問いかける。よほど研究所の人間にひどいことでもされたのだろうか? 「私が生まれたのは偶然…いや神の生み出した奇跡と呼ぶべきでしょうか。 神の奇跡は一度で十分。私以外に知能の高いゆっくりなど必要ないのです。」 要するに自分がだけが特別な存在でいたいがために他の可能性を潰したということなのだろう。 これなら復讐のための行動だったほうがまだましだ。 自分の力を悪用されたくないというのも建前で本当は人間の下につきたくないだけなんじゃないのか? 「それに研究所の人間は人間にしては知能が高いですからね。それにゆっくりを道具としか見ていない。 私の思い通りに動かすのは難しいと思ったのですよ。 その点あなたは人間としては平均的な能力のようだし。そのれいむとの関係から察するにゆっくりに対する感情も良いようだ。 どうでしょう、私をかくまっていただけませんか?危険もありますが相当の報酬は約束しますよ。」 やはりこいつは俺を、いや人間を自分より格下の存在と見ているようだ。さてどうしてくれようか… その時俺のれいむがまりさの前に飛び出した。 「ゆゆっ!むずかしいはなしはいいかられいむといっしょにあそぼうよ」 そんなれいむをセブンは冷ややかな目…例えるなら知能に障害のある人間を見下すような視線を送った。 「すいませんが私は大切な話をしているのです。あなたと遊んでいる暇はありません。」 「そんなこといわないでれいむとあそぼーよ。れいむおうたがうたえるんだよ。ゆーゆゆー♪」 れいむは歌を歌いだした。この気まずい雰囲気を察して和ませようとしてくれたのだろう。 れいむは歌のレッスンも受けているので天使のようにきれいな歌声を奏でる。 れいむの歌を聴いたにもかかわらず、セブンは相変わらずれいむを見下した目で見つめながら俺に言った。 「こんな歌や雑用しかできないゆっくりを飼うより私をパートナーにしてみませんか? 私の頭脳と人間の手足が合わさればこの国の経済を支配することも可能ですよ。」 俺はれいむにお茶のおかわりを頼んだ。お茶を入れに別室へ移動するれいむ。 部屋かられいむが消えたのを確認して俺はセブンの体を押さえつけ逃げられないようにする。 「決めたよセブン。どうもお前とはゆっくりできないからゆっくりしてもらうことにするよ。永遠にな。」 セブンは俺の行動と台詞から交渉が失敗したことに気づいたようだ。なんとか助かろうと俺を説得しにかかる。 「私を研究所に売り渡すつもりですか?研究所の味方についてもなんのメリットもありませんよ。 場合によっては秘密を知られたことを危惧しあなた自身の安全を消しにかかるかもしれない。」 「そういうのじゃないんだよなあ。俺はお前が気に入らない、それだけだ 死にたくないのならえらそうな御託はいいから命乞いでもしてみたらどうだ?」 俺はセブン…いやこんな奴ただのまりさでいい。まりさに最後のチャンスを与えた。 「あなたの要求を呑みましょう。ですのでこちらの安全を保障してください」 これで俺の腹は決まった。もしまりさが『ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛ま゛り゛ざがわ゛る゛がっ゛だでずう゛う゛う゛う゛う゛』 とでも言って命乞いをしたらそのまま帰してあげたかもしれない。 おれはゆっくりが好きだ。それがたとえ飼いゆっくりでなく畑を荒らすゆっくりでも。 野菜が勝手に生えてくると思う無知さも、人の言うことを簡単に信じる間抜けさも。 いや、そういう知能の低さを愛しているのかもしれない。だが目の前のこいつはどうだ。 知力だけは高いがまったく可愛げがない。 俺はまりさを電子レンジに入れるとそのままスタートボタンを押した。 レンジの中で何かを叫んでいるようだったが良く聞き取れなかった。 「ゆっっ!ごしゅじんさまおまたせ!おちゃをもってきたよ!」 お茶を入れに行っていたれいむが戻ってきた。 「あれ?まりさはどこにいったの?」 「ああ、まりさは急用ができたとかで帰ったよ」 れいむは無いはずの鼻をクンクンとさせる。 「ゆ?なんだかいいにおいがするよ。おりょうりしているの?」 「ああ今焼き饅頭を作っていたんだ。でもあまりおいしくなさそうだかられいむには別のものをあげるよ さっきスーパーでチョコレートを買ってきたんだ。一緒に食べよう。」 「ゆーっ!れいむちょこだいすき!」 チョコが嬉しいのかれいむは俺の周りをひょこひょこ飛び回る。やっぱりれいむは可愛いな。 あのまりさ、知能は高かったかもしれないがそれだけだった。 どんなに知能が高くても所詮手足の無い身のゆっくりでは生き残れない。 生き残れるのはれいむのような利口なゆっくりだろう。俺はそう思った。 ゆっくりはバカだという固定観念を覆してみたかった。でもゆっくりは所詮ゆっくりだった。 まりさは偶然の産物だし研究所ごと資料も消えたので賢いゆっくりは以後作られることは無かったそうです。 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2068.html
「ゆっきゅりちていっちぇね!」 「「「「ゆっきゅりちていっちぇね!」」」」 「ちーんぴょ!」 広い広い森の中を満面の笑みを浮かべて駆け回るゆっくりの赤ちゃん達。 その姿からは外敵への恐れも、天候の変化への警戒心も全く感じられない。 当然だろう。この森の相当な数の木が彼女らを守ってくれるのだから。 しかもここには植物と、弱い虫と、ゆっくりでも勝てる小型の鳥獣しかいない。 だから赤ちゃん達は木々の合間を縫って駆け回って自由に遊ぶことが出来た。 談笑しているおとな達に見守られながら、すくすくと育つことが出来た。 幼いゆっくりまりさはぽよんぽよんと元気良く跳ねて、木の根を避けながら進んで行く。 その先ではゆっくりれいむとゆっくりありす、それからゆっくりみょんの3匹が同じように跳ねている。 彼女らは鬼ごっこの真っ最中。まりさが鬼さんで、他のゆっくり達は彼女から逃げていた。 みんな実に生き生きとした表情で跳ね回っていて、活発に動きながらも非常にゆっくりしている。 「れいむー、れいむー!まりさ、おはなみつけてきたんだぜ!」 「ゆゆっ!きれいなおはなだね!」 「すごくとかいはなおはなね!」 「きれいなおはななんだねー、わかるよー」 赤ちゃん達が鬼ごっこをしている場所からから少し離れた所では子ゆっくりが戯れていた。 そこにいる子ゆっくりはれいむにまりさ、それからありすとちぇんの4匹。 まりさが採ってきたらしい花を囲んで、声を合わせて「おはなさ~ん、きれ~だよ~♪」などと歌っていた。 その歌にあわせて時々ぽよんぽよんと跳ねてみせる4匹もまた活発にゆっくりしていた。 勿論、楽しく遊んでいる子ゆっくりは彼女達だけではない。 あるものは水位が2cmほどしかないゆっくりにはおあつらえ向きに川に入って仲間と水を掛け合って遊んでいる。 あるものは誰かが見つけてきたどんぐりをボール代わりにサッカーの真似事のようなことをして遊んでいる。 あるものは何もせずただじっと日向ぼっこをしながらのんびりと仲間達とお話しをしている。 しかし、何も皆が遊んでばかりいるわけではない。 子どもや赤ちゃんが楽しく遊んでいる場所から少し離れた洞窟の中で勉学にいそしむものもいる。 「むきゅ~、このきのこさんはゆっくりできないものよ」 「ゆゆっ!ゆっくりできないのはいやなんだぜ!」 「ゆっくりできないなんてとかいはじゃないわ!」 「むきゅ~、みんながゆっくりできるためにもちゃんとおぼえないとだめね!」 そこにいたのは1匹の成体のゆっくりぱちゅりーと子どもサイズのまりさ、ありす、ぱちゅりーの3匹。 成体ぱちゅりーの差し出した見るからに毒々しい色彩のキノコを取り囲む3匹はゆっくりにしては凛々しい表情をしている。 この3匹はこのゆっくりした森の群れを担う次世代のリーダー候補とでも言うべき3匹で、来る日も来る日も勉学に勤しんでいた。 しかし、1匹たりとも根を上げるものはいないし、皆それなりに勉強を楽しんでいる。 「むきゅ!みんな、きょうはこれでおしまいよ」 「きょうもゆっくりおべんきょーしたよ!」 「おうちにかえったらおかーさんほめてくれるかな?」 「むきゅ~、おかーさん。ぱちゅりーおともだちにきょうのおはなしをおしえてあげるわ!」 しばらくして勉強を終えた3匹は各々の仲良しグループの元へと元気に駆けていった。 そして、夜になると、親ゆっくり達は子ども達を連れて居住区になっている巣の密集地へと帰る。 この群れでは夜はただ巣の中でゆっくりするだけの時間じゃない。 可愛い子ども達が寝静まる頃、大人たちはこっそりと巣を抜け出して、巣から少し離れた場所へと集まる。 子ども達ではまだ登ることの出来ない切り立った高台の上、そこは大人たちだけの社交場だった。 「ゆゆっ!きょうもみつさんをいっぱいのむよ!」 「ちゅ~うちゅ~う、しあわせ~♪」 「あまあま~♪」 高台には蜜の量が多い花が咲き乱れていて、大人たちは夜な夜なそこに集まっては子ども達に内緒で甘い蜜を堪能していた。 高台の下ではこっそり親についてきた子ども達がうらやましそうに見上げているが、彼女達を引っ張り上げる大人は一匹もいない。 しかし、無事にその高台まで登って来た子どもを追い返すこともしなかった。 「ゆゆっ!まりさ、じぶんでここまでのぼってこれたんだね!」 「おかーしゃん、しゅごくあまいにおいがするよ!」 「まだちいさいのにすごいわ!とかいはなまりさにはあまあまをのませてあげるわ!」 「ゆっ!あまあま、ゆっくりのませてね!」 花を舐め、あるいは吸って蜜を飲んだまりさはにっこりと微笑んで満足げに飛び跳ねる。 「このみつさんゆっくりしてるよ!あまあまだよ!」 「でもほかのこにはないしょだよ!」 「とかいはなおとなだけのばしょよ!ゆっくりりかいしてね!」 「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!」 こうして、新しい蜜飲み仲間を迎え入れたゆっくり達は月が山に隠れるまでわいわいと騒ぎ続けた。 翌日、昼前に起床した大人たちは巣の近くで元気に跳ね回る子ども達の姿を確認すると、皆で食料集めに出かけるための準備に取り掛かった。 「ゆっきゅちー!」とか「ゆーゆーっ!」とか「ゆ~♪」などと元気良く鳴きながら遊んでいる子ども達の横をすり抜けて集落のはずれに集まる大人たち。 その数30匹以上にも及ぶ集団は、近場でもっとも餌の豊富な草原へと威勢よく跳ねて行った。 「ゆゆっ!おいしそうなむさんをみつけたよ!」 「ゆ~って♪だんごむしさんいっぱいいるよ!」 「ゆっ!きれいなおはなさんだよ!ゆっくりもってかえるよ!」 草原はいつも通り生気と自然の恵みに満ち溢れていた。 緑色がまぶしいほどに活力に満ちた草木が風に揺れ、その合間から綺麗な花が顔をのぞかせる。 そして、その下の土では虫たちが生きるための糧を集め、土の中でも小さな命が活発にうごめいていた。 「ゆゆっ!れいむ、おおきなかまきりさんをつかまえたよ!」 「まりさはむかでさんをやっつけたんだぜ!」 「「「ゆっふっふっふっふ・・・」」」 「ぱちゅりーにまりさにれいむ、へんんわらいかたしてどうしたの?」 「「「ぱちゅりーたちははちさんのすをとってきたよ!」」」 陽が傾き、空が朱に染まり始めた頃、大人のゆっくり達は集合してお互いの成果を見せ合っていた。 あるものは獰猛な蟷螂に打ち勝ち、あるものは大量の団子虫を捕まえ、またあるものは美味しい木の実を沢山抱えていた。 けれど、今回の狩りで一番頑張ったのは巣を丸ごと持ち帰ってきた3匹だろう。 「ゆーっ!ぱちゅりーたちすごいよ!」 「はちさんのすなんてどうやってとるのかもわからないよー!」 「さすがだね!すごくゆっくりしてるよ!」 他の仲間たちに讃えられ、少し照れながらも誇らしげな3匹は照れ隠しのように「ゆっくりかえるよ!」と言う。 その言葉を聞いた他のゆっくり達も集落で可愛い子ども達が待っていることを思い出し、口々に帰ろうと言い出した。 そして、大量の収穫を抱えてゆっくり達は疲労感以上の満足感を抱えて帰路に着いた。 「ゆゆっ!おきゃーしゃんたちがかえっちぇきたよ!」 「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」 「「「「「「ゆっくりちていってね!」」」」」」 「「「「「「「ゆっくちちちぇっちぇね!」」」」」」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 大量の食料を抱えて帰ってきた大人たちをその言葉で出迎えるのはまだ狩りに行けない小さなゆっくり達。 皆、たくさんのご飯と大好きな家族の帰還が嬉しくてニコニコと微笑みながら遊び疲れも忘れて元気に飛び跳ねている。 大人たちは彼女らの挨拶に「ゆっくりしていってね!」と元気良く返事をすると集落の中心に食料を置いた。 「さあ、たくさんごはんがとれたからきょうはうたげだよ!」 「あかちゃんたちもきょうはよふかししてもいいよ!」 「みんな、ゆっくりしていってね!」 「「「「「「「ゆっきゅりちちぇいっちぇね!!!」」」」」」」 そうして、ゆっくりのゆっくりによるゆっくりのための楽しい宴会が始まった。 あるものは大好きな仲間を誘って楽しく踊り、またあるものは美味しい餌に夢中になっていた。 少しは慣れた場所はすりすりやちゅっちゅをするものや、行き過ぎてすっきりを始めてしまうものもいる。 初めての夜更かしに興奮気味の赤ちゃんたちは何をすればいいのかわからずおろおろしているものもいるが、おおむね楽しそうに駆け回っていた。 「むきゅ~・・・まりさ、みんなたのしそうね」 「ほんとうだぜ!みんなすごくゆっくりしてるぜ!」 そう言って、少し離れた高台でどんちゃん騒ぎを見守るのはリーダー教育係のぱちゅりーと群れの長のまりさ。 視線の先には大事な仲間の平和な日常が、ゆっくりプレイスでのゆっくりした生活が映し出されている。 皆がゆっくりしあわせそうに微笑んでいる。皆が楽しそうに駆け回っている。 ここは本当に信じられないほどのゆっくりプレイスだ。 「ねえ、ぱちゅりー!まりさ、ぱちゅりーとすっきりしたいよ!」 「むきゅ!?・・・ぱ、ぱちゅりーでいいの?」 「そうだよ!まりさはぱちゅりーがだいすきなんだよ!」 「む、むきゅぅ~・・・ぱ、ぱちゅりーもまりさがだいすきよ!」 「ゆゆっ!とってもうれしいよ!」 ぱちゅりーの返事を聞いたまりさは嬉しさのあまりに飛び跳ね、それからぱちゅりーに優しくちゅっちゅをした。 それに応じるようにお返しのちゅっちゅをするぱちゅりーの頬はほんのりと赤く染まっている。 それから、2匹はゆっくりと頬ずりをし始めた。 「まりしゃ~・・・だいすきよ・・・」 「まりさもだよ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 徐々に高まって行く2匹の鼓動と快感。やがてそれが理性で押さえつけられないほどに大きくなった直後、2匹は絶頂に達した。 「「すっきりー!」」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ぱちゅりー・・・だいじょうぶ?」 「むきゅ・・・だ、だいじょうぶよ・・・」 「むりしないでね!つらいときはいってね!」 「むきゅう・・・あかちゃん、できたかしら?」 「ゆゆっ!きっとできるよ、ゆっくりしたかわいいあかちゃんだよ!」 翌日、目を覚ましたぱちゅりーはお腹の中のむずかゆい感覚に受胎を確信し、微笑みを浮かべた。 大好きなまりさの赤ちゃんを身ごもることが出来てとても嬉しかった。 この地は安全だから、出来れば母体の危険の少ない植物型で産みたかったけれど。 それでも、お腹を痛めてまりさの子どもを産めることがただただ嬉しかった。 「あかちゃん、ゆっくりうまれてね・・・」 「ぱちゅりー!まりさ、おいしいごはんをたくさんもってくるよ!」 「むきゅ~・・・まりさ、ありがと~」 「ゆっくりいってくるね!」 そうしてまりさは餌を集めに出かけていったけれど、ぱちゅりーは巣の中でひとりっきりになることは無い。 あるときは出産経験のある大きなれいむがにんっしん中の振舞い方を教えに来てくれた。 またあるときは集落の子ども達が頑張って集めた美味しそうな虫さん達を集めて持ってきてくれた。 またあるときは赤ちゃん達が「れいみゅたちもおねーしゃんになりゅんだね!」と嬉しそうに様子を見に来てくれた。 毎日毎日、入れ替わり立ち代り、皆がぱちゅりーや赤ちゃんのことを気遣ってくれている。 そうして、仲間たちに支えられながら1週間が過ぎたある日・・・ 「むぎゅ!?う、うばれりゅ・・・!」 「ゆゆっ!ぱちゅりー、あかちゃんがうまれるんだね!」 「いぢゃい・・・いぢゃいいいいいいい!?」 「ぱちゅりー、ゆっくりがんばってね!あかちゃんはまりさがうけとめるよ!」 そう言って見るからに痛そうな表情を浮かべていきむぱちゅりーの前に立ったまりさは、注意深く産道の様子を見守る。 徐々にみち・・・みち・・・と皮を押し広げながら外へと出てくる赤ちゃんの顔が見えて来る。 とてもゆっくりした笑顔の可愛らしい赤ちゃんが、まりさの方を見て微笑みながらも必死に外に出ようと頑張っている。 「ぱちゅりーもあかちゃんもがんばってね!」 「む、むぎゅううううう・・・むぎゅう!!?」 「ゆーーーーーーっ!!」 数分後、1匹目の赤ちゃんが産声をあげ。それから1分間で更に3匹の赤ちゃんがこの世界に生を受けた。 3匹がゆっくりまりさで、最後に生まれた1匹だけがゆっくりぱちゅりー。全員とっても元気なゆっくりした赤ちゃんだ。 良い知らせはそれだけではない。病弱で生きたまま出産できるかどうか危うかったぱちゅりーも無事生きていた。 疲労困憊といった様子でぐったりとしているが、それでも仲間達がお祝いに持って来てくれた初蜜などの甘いもののおかげで元気を取り戻していた。 しばらくは食べやすくて栄養たっぷりの蜂蜜を食べさせてあげればじきに元気になるだろう。 「それじゃあ、あかちゃんたち・・・」 「「「「ゆぅ?」」」」 「ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくちちちぇいっちぇね!」」」」 まりさと赤ちゃん達が元気良く初めての挨拶を交わすと、巣の外から無数の「ゆっくりしていってね!」が聞こえてきた。 群れの皆が新しい仲間の誕生を祝福していた。そして「さあ、みんなでゆっくりしよう」とお祝いのお歌を歌っていた。 それからも群れはゆっくりし続けた。 赤ちゃん達は友達と一緒に森や草原を駆け回ってゆっくりとは何かを学んでいた。 子ども達は友達と遊びながら、赤ちゃんの世話をしながら、大人の真似をしながら色んな生きるための知恵を身に付けていった。 大人たちは培った技を、知恵を、友情を・・・もてる全てを駆使して自分を、家族を、そして群れの皆をゆっくりさせるために頑張った。 ここでは誰もがゆっくりとした楽しい生活を過ごしている。 この場所以外の世界を知っている長老格の、ここまで流浪してきた世代の唯一の生き残りのれいむは思った。 きっとここがゆっくりにとって最高のゆっくりプレイスに違いない、と。 「まりさ・・・れいむ、いっぱいがんばったよ・・・」 自分の役目を終えたれいむはかつての伴侶だったまりさが一番気に入っていた場所で静かに目を閉じた。 まぶたの裏に映るのは金色の海とでも言うべき美しい髪をなびかせ、つややかな漆黒の帽子を被った在りし日のパートナーの姿。 一足先にこことはまた別のゆっくりプレイスに行ってしまった彼女を想い、静かに呟いた。 「そっちでもいっしょにゆっくりしようね、まりさ」 そう言って閉じられたれいむの瞳が開くことは2度と無かった。 このれいむは本当に最高の幸せものだった。 なぜなら、その幸福が悪意によって与えられたものであるということを知らずに死ねたのだから。 翌朝、群れのゆっくりれいむの一匹が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。 何故かいつもの巣ではなく、無機質な真っ白い部屋の中にいて、不思議なことに自分の上にも下にも群れの仲間がいる。 しかも、群れの仲間全員がそんな風にして部屋の壁にそってずらりと並んでいる。 この場所が何処なのかは非常に気になるが自分の頭で考えてもどうしようもないだろう。 そう判断したれいむは元気良く「ゆっくりしていってね!」と声を張り上げた。 「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇにぇ!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっくちちてってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇにぇ!」」」」」」」」 簡素なつくりの真っ白な部屋には群れ中のゆっくりがいた。 そして、れいむの挨拶につられた仲間達の返事がお世辞にも広いとは言いがたい部屋の中に反響する。 その直後、思いっきり飛び跳ねたゆっくり達の「ゆぎゅ!?」と言う悲鳴が聞こえてきた。 「ゆゆっ!みえないかべさんがあるよ!」 「おちびちゃん、ゆっくりおかーさんのところにきてね!」 「ゆえーん、いけにゃいよおおおおお!」 「みえないかべがあるんだねー、わかるよー!」 「みんなあぶないからうごいちゃだめだよ!」 「れいみゅたちはちーたいきゃらだいじゅーびゅ!?ゆぴぃぃぃぃいいい!いちゃいいいいい!?」 「かべさんはからだにあわせたおおきさなのね!とかいはじゃないわ!!」 「どほぢでごんなどごろにいるのおおおおおおおお!?」 「わがらないよー!!」 挨拶の直後までは見知らぬ場所でも、仲間がいれば何とかなるだろうと思っていたゆっくり達は想像だにしなかった事態にようやく恐怖を覚えた。 それも、今まであらゆる苦痛や恐怖と限りなく無縁だったこの群れのゆっくりにとっては恐らく感じたことの無いほどの恐怖。 あるものはそれでも何とかなると信じて群れの実力者の指示に従ってじっとしている。 しかし、気の弱いものやまだ幼いゆっくり達は未知の恐怖に耐え切れず泣き出してしまう。 更に恐怖を誤魔化すために泣き出したゆっくり達に「ないちゃだめっていってるでしょ!」と怒鳴り散らすものもいる。 そうして怒鳴り散らす仲間に怯えて泣いている者たちが更に大きな泣き声を上げ、つられて怒鳴っていたゆっくり達も泣き始める。 「ゆえーん、しぇみゃいよおおお!おきゃーしゃん、だちてー!」 「ゆわああああん、ごわいよおおおお!どほぢでごんなどごろにいるのおおお!?」 「ゆううう!うるさいよ!ゆっくりだまってね!」 「ゆうぅえ・・・っ!きょわいよおおおお!おねーしゃんがきょわいいいいい!!」 「ゆぎゅう!でいぶをおごらないでええええええ!?」 「ゆ、ゆぎいいいいいい!どほぢでぢおずがにでぎないのおおおおお!?」 そんな仲間を尻目に思いのほかゆっくりしているものもいれば、なんとか壁を壊そうとしているものもいる。 「ゆぅ~・・・でられないんじゃしかたないね!ゆっくりしようね!」 「「れいみゅゆっくちちゅるよ!」」 「まりしゃもゆっくちちゅるよ!」 「ゆっ・・・!ゆんっ!ゆりゃ!!」 「ゆゆっ!ありすもゆっくりしようね!」 「なにいってるの!?こんなとかいはじゃないばしょでゆっくりできないわ!」 「ゆ、ゆぅ・・・おねーしゃんもゆっくちちようよおおおお!」 「ゆっくりしてるばあいじゃないのよ!ゆっくりりかいしてね!」 「ゆぅ・・・ゆえーん・・・ゆっくちちたいよおおお!!」 恐怖が怒りを呼び、怒りが恐怖を増幅させてやがて恐怖に侵食される。 焦りが冷静さを奪い、ゆっくりを奪い、ゆっくりできない事がやがて怒りや恐怖へと姿を変える。 そうして徐々に、しかし確実にその部屋の中からゆっくりが奪われていく。 リーダー達が何とか事態を収めようとしてもパニックに陥った集団は簡単には止められない。 彼女達が何かを言おうとするたびに何処からか飛んで来る罵声にその言葉がかき消され、無力なリーダー達の姿が群れの恐怖を増幅させる。 「どほぢでみんないうごどをぎいでぐれないのおおおお!?」 「ゆえーん、おきゃーしゃんとしゅりしゅりちちゃいよー!!」 「わがらないよーーー!!?」 「ごんなのどがいはぢゃないわ!!?」 「でいぶぜまいのいやだよおおおおおお!!」 「まりぢゃのぼうじがへぢゃげでるんだぜええええ!!」 「ゆえーーーん、いぢゃいよおおおお!!」 「「「「「「「「「これぢゃゆっぐぢでぎないよ!!」」」」」」」」」 気がつけばリーダー達も泣いていた。ただただ無力感を噛み締めながら泣きじゃくっていた。 しばらく泣き続けていると、お腹が空いてきたのか徐々に泣き声が小さくなり、やがて泣き疲れて眠るものまで出てきた。 そんな時、部屋の壁と同様に真っ白な扉が開き、そこから一人の人間が姿を現す。 白い手袋を付けて黒いスーツを身に纏った上品そうな中年男はあくまで無表情だったが目は信じられないほどに鋭く、攻撃的で獰猛。 その目を見た瞬間、リーダー格のゆっくり達は彼が自分たちを閉じ込めたのだと確信した。 「ゆゆっ!おじさんがまりさたちをとじこめたんだね!」 「いなかものとはゆっくりできないわ!ゆっくりだしなさいよ!」 「むきゅ~・・・ぱちゅりーたちなにもわるいことしてないわ!」 「ゆっくりここからだしてね!」 「れいむたちにひどいことしないでね!」 その言葉につられて他のゆっくり達も騒ぎ出す。 しかし、男性は彼女らの言葉など全く意にも介さず、そよ風か何かのように聞き流し、部屋の外から大きな箱を運び込んでいた。 馬鹿でかい台車に乗ったその箱は底面が3m×5mの大きさで、側面が1mほどの高さを持っている。 箱というよりも小部屋に近いそれの天井部分だけは板が設置されておらず、そこから部屋にいる全員が中の様子をうかがうことが出来る。 男はその箱を床に置くと、とんでもないことを言い放った。 「お前たちにはここで殺し合いをしてもらう」 あまりにも馬鹿げた発言にしばしゆっくり達は呆然となり、沈黙するが、男は彼女達にかまわず手近な透明な小部屋の蓋を開ける。 そこから2匹の赤ちゃんをして、先ほど設置した箱の中に彼女らを放り込んだ。 当然、赤ちゃんたちは「れいみゅ、しょんにゃこちょちないよ!」「まりちゃもだよ!」と言って抗議するが、男性は平然としている。 そして、僅かに無表情な彼の口元が歪み、2匹の赤ちゃんに恐ろしい言葉を放った。 「戦わないならどっちも殺す。勝ったほうには餌をやろう」 傍目にはただのルール説明のようにも見える言葉。 しかし、そのルールを課せられるものにはこの世で最もおぞましい二択を迫る言葉。 その信じがたい残忍さに部屋にいる全てのゆっくりが押し黙ってしまう。 そして、恐怖心に負けた2匹の赤ちゃんだけがその場で火のついたように泣き出してしまった。 「ゆえーん、れいみゅ、しょんなのいやだよおおおおお!!」 「ゆえええええん、おうぢにかえりちゃいよおおおお!?」 「そうか」 2匹の言葉を聞き終えた男は台車においていた槍を掴むと容赦なく矛先を2匹に突き立てた。 あまりにも淡々と、あまりにも悠然と。2匹の赤ちゃんは悲鳴を上げる暇すら与えらずに絶命した。 そして、他のゆっくり達も男の所作のあまりのさり気なさに彼女らに何か言葉をかけてやることもできなかった。 「さあ、次だ」 静かに、しかし力強く呟いた男はいつの間にか近くの箱から成体のれいむと子どものれいむを取り出していた。 男は2匹を乱暴に箱の中に放り込むと、まだ赤ちゃんの死体が刺さったままの槍を掴み、「どうする?」とだけ囁く。 2匹が、箱の中にいる2匹が、殺し合えと命じられた2匹が母子だと知る群れの仲間達は絶句し、箱の中の2匹の決断を見守っていた。 中には男性に罵詈雑言を浴びせるものや「そんなことしちゃゆっくりできないよ!」と母子に向かって叫ぶものもいたが何の意味も無い。 母れいむはただ絶望することしか出来なかった。 何故、よりにもよって自分と自分の子どもなのか? もちろん、ほかの子どもでも殺したくはないし、他の親子が殺しあうのだって決して見たくない。 けれど、何故・・・どうしていきなり自分たちが殺し合いの1番手を務めなければならないのか? 拒めばどっちも殺される、受け入れてもどちらかが死ぬ・・・どちらが? そんなもの決まっている。 自分だ。可愛い子どもを殺してまで、どうして生き延びる必要があるのか? 意を決した母れいむは泣き笑いの表情で、叫んだ。 「があいいでいぶのおぢびぢゃん!でいぶのぶんまでゆっぐぢぢでね!!」 その言葉の直後、母れいむは壁に向かって激突し始めた。 何度も何度も、壁にぶつかっては弾き飛ばされ、起き上がってはまた壁にぶつかっていった。 その姿を見た赤ちゃんれいむは怯えていたが、可愛い赤ちゃんを守るためだから仕方ない。 何度も何度も何度も何度も壁にぶつかり続けているとやがて餡子が漏れ始める。 歯が折れ、舌に刺さる。痛い、もうやだ、おうちに帰りたい。でも、赤ちゃんを守らなくちゃ。 そんな思いに突き動かされて母れいむは何度も何度も立ち上がる。 「おきゃああああしゃああああん!やめちぇええええええええええええええ!!」 「ゆっぐり、がんばるよ・・・あがぢゃんのためだもん!」 泣き叫ぶ我が子を慰めてやりたい、出来れば隣に行って頬ずりをしてあげたい。 そんな衝動を必死に堪えながら母れいむは更に自傷行為を繰り返す。 ゆっくりにとって命も同然の餡子をぼたぼたと零しながら母れいむは何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も壁に体当たりを仕掛ける。 もうそろそろ限界だ、そう感じた母れいむはいまだに泣き続けている我がこの方に振り返ると微笑み、母として最後の言葉を送る。 「かあひいおひびひゃん・・・うっふひひへひっへへ!」 「おきゃああちゃあああああああん!!?いっちょにゆっくちちよーよおおおおおお!!」 可愛いおちびちゃん、ゆっくりしていってね! 歯も舌も使い物にならなくなってしあった口ではその言葉をちゃんとつむぎ出せない。 それでも賢いおちびちゃんならきっとお母さんの気持ちを理解してくれるはず。 壁にぶつかり続けた結果、ひしゃげて使い物にならなくなった双眸が赤ちゃんの姿を映し出すことは無い。 それでも脳裏には可愛い我が子の姿が浮かぶ。 泣き叫ぶ赤ちゃんれいむにに背を向けると、母れいむは残された力の全てを振り絞って壁に渾身の体当たりを仕掛けた。 「おきゃああちゃああああああああああああああああああああああん!!?」 狭い部屋に赤ちゃんれいむの絶叫がこだまする。 そして、それにつられるようにして恐怖と困惑で言葉を失っていた他のゆっくり達も騒ぎ始めた。 「どほぢでごんなごどずるのおおおおおおおお!?」 「もうやだ!おうぢがえる!」 「まりぢゃゆっぐぢじだいいいいいいいい!!」 「ゆっくりだぢでね!ごごがらゆっぐぢだぢでね!?」 部屋の中にいるゆっくり達が口々に騒ぎ立てる。 あるものはゆっくりしたいと、あるものはゆっくりできないと、あるものは男性が許せないと。 しかし、男が何の意味もなさないノイズに耳を貸すようなお人好しでないことは火を見るより明らか。 もはや身動き一つ取れないれいむが撒き散らした餡子を拾い集めると泣き喚く赤ちゃんの口に乱暴にねじ込んだ。 赤れいむは「ゆびっ!?」と短い悲鳴を上げ、それを吐き出そうとするが男の手がそれを許さない。 何も見えないなりにも音で赤ちゃんの危機を察知した瀕死の母れいむは「や、めてね・・・おちびちゃ、をいぢめないで・・・」と呻くが男の耳には届かない。 そうして、無理やり母親の餡子を食べさせられた赤ちゃんはぽろぽろと涙を零しながら「ちあわちぇ~♪」という言葉を口にした。 言うまでもないだろうが決してうれし泣きなどではないし、「しあわせ~」もただ本能に従って口にしているだけ。 それを見届けた男は母れいむを箱の外に放り投げると、手近な小部屋のふたを開け、赤ちゃんまりさを取り出す。 そして、再び囁いた・・・「さあ、殺し合え」 と。 「いやあああああ!まりぢゃおねーしゃんとゆっくちちちゃいいいいいい!?」 「どほちてぞしょんなこちょいうにょおおおおおおお!?」 もうやだ!大事な家族にそんな酷いことできない、と泣き喚く赤ちゃん達。 しかし、その言葉や表情が男の良心の呵責など呼び起こすはずもなく、彼は何も言わずに足元に置いた槍を手に取った。 周りでは相変わらず他のゆっくり達が「やめてね!」とか「あかちゃんにひどいことしないでね!」と喚いている。 その中心にいる赤ちゃん達も掲げられた槍の鋭利な先端を見て、戦わなければどうなるかを思い出し、一層激しく泣きじゃくる。 だが、男にとって大事なのゆっくり達が“戦うか戦わないか”ということだけ。 相変わらず戦意を見せない箱の中の2匹には男にとってはもはや何の価値もない。 ゆえに、速やかに処理を済ませた。 「ゆびぃ!?」 「ゆばっ!?」 「「「「「「「・・・・・・ゅっ!?」」」」」」」 その瞬間、部屋中のゆっくりが水を打ったように静まりかえる。 その沈黙は何も見えず、喧騒のせいで何も聞こえないまま静かに朽ちていた、不運にもまだ生きていた母れいむに我が子の死を伝えた。 母れいむは自分の無力を悔やみ、我が子の死に悲しみながら・・・物言わぬただの饅頭になった。 しかし、男はそんなことは知らない。いや、知ったことじゃない。 「もう一度言う。殺し合え、それが嫌ならどっちも殺す」 やはり静かに、しかし有無を言わさぬ力強さをも併せ持つその言葉はゆっくり達に何をしても無駄だと理解させるには十分だった。 勿論、それでも文句を言い続けるものは沢山いた。しかし、その誰もが内心はきっと無駄だろうと諦めている。 そして、大方の予想通りゆっくり達の言葉は男の心に響くことはなかった。 「次は、お前達だ」 男は手近な箱から成体のゆっくりありすと同じく成体のゆっくりまりさを取り出して、例の箱の中に放り込んだ。 続く byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4257.html
ゆっくり観察記 ――――――――――― ―――――――――――――――――――――― 初作品ですが、よろしくお願いします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺は最近、ゆっくりの生態を趣味で調べている。 もういっその事ゆっくりの研究者になろうかと時々考える。 そして俺は、多々種類のゆっくりを共同のスペースで飼育してみる事にした。 まずどの種類から始めようか・・・・・と考えていれば、ホラ現れた。 「おなかすいたよ!!!」 「れいむたちにはやくなにかたべさせてね!!!」 その図々しさに見ているだけで自然と殺意が沸いてくる。 これは「ゆっくりれいむ」と「ゆっくりまりさ」の種類だな。 ひぃ・・・ふぅ・・・みぃ・・・・ 早速数を数える。 親が2匹、子供が7匹かな。親が1匹、子供が3匹「ゆっくりまりさ」の個体みたいだな。 「どうしたの?」 「はやくたべさせてね!!!」 「はやくゆっくりさせてね!!!」 横でやかましい声が聞こえる。 こりゃあ大家族だな・・・・・。飼育にはちと数が多いな。 俺はヒョイと子供を1匹髪を掴み上げる。 「い゛た゛い゛よ゛お゛おお゛お゛お!!!はな゛じて゛ええ゛え゛!!!」 「れいむのあかちゃんになにするの!!!」 ドンドンと足にぶつかって来るが、痛くも痒くもない。 俺はその小さなゆっくりを握りつぶす。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛う゛う゛う!!」 断末魔や悲鳴が聞こえた気がしたが、俺は動じず次々に潰していく。 餡子が飛び散る。後で掃除しないとな・・・・ 最終的に子供のゆっくりれいむ2匹、ゆっくりまりさ1匹を潰した。 「な゛ん゛てごん゛な゛こと゛するの゛おお゛お゛お!!!」 「ゆ゛っ゛く゛りさ゛ぜてえ゛え゛え゛!!!」 叫ぶゆっくりをそのまま掴み、飼育ケースに投入する。 飼育ケースと言っても、そう特別な物では無い。 若干大きめのガラスケースに藁を敷き、小さな家と遊具を置いた物である。 ちなみに去年まで飼っていたカブト虫などの匂いがまだ残っている。 「く゛さい゛い゛い゛いい゛いい゛い゛い゛!!!」 「ゆ゛っ゛ぐし゛でき゛ない゛い゛い゛い゛いいい!!!」 そんなゆっくりをそのまま放置し、俺は新たなゆっくりを探しに森へ出かける。 しばらく探すと、「ゆっくりありす」の種類の住処を見つけた。 「ここはまりさたちのてりとりーだぜ!!!」 「おにいさんははやくたべものよこしてね!!!」 うん。ウザい。 何気無くゆっくりまりさも混じっている。残念ながらゆっくりまりさは間に合っている。 早速不要な物を処分するとしよう。 以前からゆっくりありすがゆっくりまりさを好むのは分かっていた・・・ と言う事で、今回はちょっとした道具も持ってきた。 懐中電灯 メガホン エアーガン 出来るだけ自然の状態で飼いたいので、精神の状態は残しておきたい。 そこで、メガホンで聴覚を一時的に破壊し、懐中電灯で短い時間の目潰し。 普通の人間にはまず無理だが、ゆっくりの貧弱な組織なら充分だ。 あとはゆっくりまりさを連れ去りエアーガンで撃ち殺す。 香林堂もいろいろ置いてるなぁ・・・・しかし。 肉体は後でオレンジジュースで治すのでどうでもいい。 「じゃあとっても美味しいものをあげるね。ちょっとおめめつぶっててね~」 「ゆっ!!!おたのしみ!!!!」 そう言いつつゆっくりは目を閉じようとする・・・・ その瞬間、俺は懐中電灯でゆっくりを照らす。 こうすることで、ゆっくりは目をずっとつぶっているのと同じ感覚になる。 そして俺はメガホン目掛けて大声で叫んだ。 「ゆ・・・お・・・・あ....う・・・・あ!・・」 「ゅ!・・・・・!・・・あ゛!?」 聴覚が破壊されているので、うまく喋れない。一瞬の事であるから、この出来事にゆっくりも気づかない。 おそらく「まだかな?」とでも喋っているのだろう。 そしてすかさず俺はゆっくりまりさを住処から少し離れた場所へ連れて行く。 そしてオレンジジュースを振り掛ける。 ゆっくりの視覚と聴覚が戻る。 「ゆ?あれ?ありすたちは?」 「おにいさん、どうしたの?」 「君達だけに、特別な食べ物をあげるんだ。」 「ゆーっ!ゆーっ!ゆっくりたべさせてね!!!」 そしてエアガンで撃ち殺す・・・・・筈だったが、俺とした事が弾を忘れてしまった。 そして金髪が同じなので間違えて1匹ゆっくりありすを、しかもゆっくりまりさ達と特別仲がいいのを連れてきてしまった。 ゆっくりありすはまだまだいるし、たまたま楽しい殺し方を思いついたのでまあいいか。 そう口ずさみながら俺はゆっくりありすを木に縛る。 ゆっくりまりさ達は、ゆっくりありすに目もくれず、ワクワクしながら何か、何かと待っている。 ゆっくりまりさ達も縛る。数が多かったので入るか心配だったが、一匹潰したら入った。その時他のゆっくりが騒いでいた気もする。 そして自分はゆっくりありすに近くの川から汲みたての水をかける。 そしてその下に大量の落葉をかき集める。 そしてライターで落葉に火を付ける。ゆっくりありすは最初にかけた水のお陰でなかなか燃えない・・・・・・が そのうちチリチリと焼けてくる。動けないゆっくりまりさ達の前でじー・・・・っくり照り焼きにでもしようと思う。 ほら・・・・チリ・・…チリ・・・・そして当然のごとくゆっくりありすは熱がる。 「あ゛づいい゛い゛い゛いい゛い゛!!!」 ゆっくりまりさ達は仲良しの悲鳴にすかさず反応する。 「あ゛り゛す゛うう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!」 助けに行こうとする。しかし縄はゆっくりの動きなどでちぎれる事は無い。 ゆっくりありすの下半分は炎に包まれている。 「お゛ね゛がい゛い゛い゛い゛いい゛!!!あ゛り゛すにお゛み゛ずかげて゛あ゛げて゛でえ゛え゛え゛!!!」 あいつに水分を与えてくれ?俺も待ち疲れた頃だ、いいだろう。水分は水分でも 「油」をな。 バシャ・・・・ァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォオオオ!!!!! 炎の勢いは数倍に増し、ゆっくりありすを包み込む。そして焼き尽くす。 そしてゆっくりの悲鳴が聞こえる。言葉に出来ない大合唱である。「自分をありすの元まで連れて行け」とな。 いいだろう。俺は縄を持ち、木ごと燃えているありすの元へ投げ込んだ。そしてゆっくりの悲鳴が聞こえた頃・・・・ おや? エアーガンには弾が装填されていた。もっとしっかり説明書読むんだったな。 まぁいい。俺は火だるま目掛けて打ちまくる。 バァン! バン! パンッ! 続々火だるまから焼きあんこが出てくる。 そして悲鳴が轟く中、俺は住処に戻り、ゆっくりありすを連れ、家へ帰った。 おやおや 早速ゆっくり達が交尾を始めて繁殖を始めているな。 次は肉食のゆっくりでも投入するかな。ゆっくりの繁殖能力は恐ろしいしな。 END ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―あとがき― ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― こんにちは。 こんな僕の処女作ですが、ご覧に入れていただいた貴方に感謝です。 たぶん続き書きたいと思います。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1743.html
ゆっくりお燐の生活 「ゆっゆっゆっ・・・」 「むきゅ、むきゅ・・・まっでええええまりさあぁぁぁぁ」 山の中をまりさとぱちゅりー、二匹のゆっくりが駆けている。 怖いれみりゃから間一髪逃げ出してきたのだ。 運動が得意なまりさに比べ、体の弱いぱちゅりーは息も絶え絶えだ。 「ぱちゅりーゆっくりしないでね!!そんなんじゃれみりゃにたべられちゃうよ!!」 「むきゅぅぅぅ~~、これいじょうはむりだわ!」 「じゃあこっちからいこうね!!ちかみちだよ!!」 まりさは巣への近道となっている、若干傾斜のあるデコボコ道に飛び込んだ。 自分は大丈夫でも、虚弱体質のぱちゅりーがそんな所に飛び込めばどうなるかは自明である。 「むきゅっ、むきゅ、むぎゅっ!?む゛ぎゅうううぼぼぼぼ!!」 ぱちゅりーは必死に飛び跳ねたが高さが足らず、木の根っこに足を引っ掛け、 辺りの石に身体をぶつけながら斜面を転がり落ち、やがて動けなくなった。 「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!おあちゅりぃぃぃーーー!!」 「むぎゅ・・・・もうだめ・・・」 泣きながら瀕死のぱちゅりーに駆け寄るまりさ。 自分が選んだ近道のせいでこんなことになったことは特に念頭に無い。 まりさはぱちゅりーの傷口を必死で舐めるが、ぱちゅりーの吐餡は止まらない。 「ぱちゅりーゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってねえええ!!」 「むぎゅ・・・まりさ・・・わたしはもうだめだわ・・・」 「なんでぞんなごどいうの゛おおぉぉぉぉぉ!?ずっといっじょにゆっぐりじでねえぇぇぇぇ!!」 「もうたすからないってりかいしてね・・・まりさだけでもおうちでゆっくりして・・・」 「ゆ゛うぅぅぅぅぅぅ!!ゆ゛ううぅぅぅぅぅぅううう!!!」 「ゆっくりしてたられみりゃがくるわよ・・・わたしがおとりになるから・・・はやく・・・にげ・・・」 「ゆ゛!?」 小さい時からいつも二人一緒で、いろんなところを探検したぱちゅりー。 行く先々で危険な食べ物や場所を教えてくれた、頭が良くて優しいぱちゅりー。 赤ちゃんのために元気になるから、いつかけっこんしようねと言ってくれた大好きな友達、ぱちゅりー。 そんなぱちゅりーは最後までまりさを気遣い、静かに息を引き取った。 「ゆ・・・ぱちゅりー・・・ゆっくりしちゃったんだね・・・」 れみりゃに食べられるであろうぱちゅりーの亡骸に背を向けて逃げるのは、 親友であるまりさにはためらわれることだった。 せめてもの手向けにと、まりさはその辺に生えていた小さな花を一輪摘み取り、 ぱちゅりーの帽子にそっと挿しておいた。 「ぱちゅりー・・・まりざはゆっぐりずるねぇええぇぇぇぇ!!」 滂沱の涙に顔をふやかせながら、全速力で巣へと逃げ帰るまりさ。 自分だけでも無事にゆっくりしなければ、ぱちゅりーの遺志を無駄にしてしまう。 死んでしまった親友も、心の中でずっと生きているのだ。それを守らなければならない。 そんな光景を、茂みに隠れて見ているゆっくりがいた。 「うっうー♪このへんからこえがしたんだどー♪どこだどー?」 まりさをぱちゅりーを追い、ぱたぱたと飛んで来るれみりゃ。 先程ぱちゅりーが死んだ場所に到達したれみりゃは、しかし、一匹のゆっくりの姿も見つけることが出来なかった。 「うー?いないどー!つまんないんだどー、かえってざぐやにぷっでぃ~んもらうどー♪」 標的を見失ったれみりゃはゆっくりの追跡にも飽きたのか、来た道を引き返して帰っていった。 それから数日後。 「ゆっゆゆっゆゆ~ん♪れいれいむ~♪いっまいくよ~♪」 友達を失った悲しみからも、ゆっくり特有の能天気さで立ち直ったまりさは、 新しい友達であるれいむのところに遊びに行くため、山道を跳ねていた。 「ぱちゅりーがしんじゃったのはかなしいけど、れいむがいるからさびしくないよ・・・ゆっ!?」 ふいに前方の茂みががさがさと揺れ動く。タヌキか何かが出てくるのかと身構えるまりさ。 しかしそこから飛び出して来たのは、 「じゃじゃーん!!」 「ゆゆっ!?」 真っ赤な髪にぴんと立った二つの猫耳、顔の両脇に下げられた三つ編み。まりさが見たこともないゆっくりだった。 ゆっくりおりん。地獄のゆっくりとも言われ、滅多に見ることの出来ない希少種だが、 最近この辺りの山にもちらほら出没するようになってきたゆっくりである。 「ゆっ!みたことないこだね!ゆっくりしていってね!!」 「おりんはおりんっていうんだよ!!すてきなまりさよろしくね!!」 「ゆゆ~!!なかよくしていってね!!」 会うなり素敵だと褒められて気を良くしたまりさは、即座にこのゆっくりは良いゆっくりだと断定する。 友好の証に頬をすりすりと擦りつける。おりんはとっても嬉しそうだ。 一緒にれいむのところに遊びに行っても良いかも知れない。珍しい子だから紹介してあげよう。 そんな風にまりさが思い始めた時。 「きょうはまりさをびっくりさせるよ!!」 「ゆっ!?なになに?」 「じゃじゃーん!!」 おりんの掛け声に合わせて、茂みからもう一匹のゆっくりが飛び出してくる。 また新しい友達が出来るのかと思い、ニコニコ顔でそちらを見るまりさ。 「まりさのともだちのぱちゅりーだよ!!じゃじゃーん!!」 「むぎゅぎゅ!!ゆっくりじていっでね!!」 まりさの表情はそのままで固まった。 落ち窪んだ眼球、藁のようなぼろぼろの髪、毒々しく変色した傷だらけの肌、ぴくぴくと引き攣った口元。 そのどれもが、まりさの友達、かわいくて優しいぱちゅりーとはかけ離れたものだった。 しかしその帽子についているのは、紛れもなくまりさが挿してあげたお花。死んだぱちゅりーに備えたお花。 それも萎びて腐りかけていたが、「そいつ」が大好きな親友であると判別するには充分であった。 「ゆ゛ううううぅぅぅぅぅぅぅ!!?なんでぱちゅりーがここにいるのおぉぉぉぉぉ!!」 「ゆゆっ!うれしなきしてるよ!!とってもなかよしなんだね!!」 「おりんがやまでぎぜつじてだぱちゅりーをたずえでぐれたのよ!!」 硬直した口元を醜く歪めて、ぱちゅりーは楽しげに笑いながら話した。 舌もうまく回らないのか、汚くたどたどしい発音だ。 きれいで理知的な言葉を話していたぱちゅりーの口がそんな風に動くのが、まりさには耐えられない。 どうしてこんなことになっているのか解らない。まりさの目の前でぱちゅりーは死んだはずだ。 よしんばそれが自分の見間違いだったのだとしても、今見ているのはどう考えても 生きていた頃の、体が弱いながらも元気に遊んでいた、大好きなぱちゅりーの姿ではない。 「ゆぐぐっ!!ぱちゅりーはしんだんだよ!!ゆっくりりかいしでね!!まちがってあるきまわっちゃだめだよ!!」 「むぎょ!!なにいっでるのまりざ?ぱぢゅりーはごんなにげんきになっだおよ!!ごれであがちゃんつぐえるねぇぇぇ!!」 眼窩の奥底に転がるぱちゅりーの萎れた眼球が、ぎょろぎょろとまりさを見つめる。 ぱちゅりーは元気をアピールするかのようにびたんびたんと跳ねて見せる。 前半身と後半身の統制が取れていないのか、魚がのた打ち回るような歪な跳ね方だ。 激しい動きは、かつての病弱なぱちゅりーからは、いやどんなゆっくりからも想像出来ない異様なものだった。 前後にのた打つ度に、爛れた傷口から餡子がぴゅっぴゅっと吹き出る。 ぱちゅりーはそのままびょこびょことまりさに擦り寄ろうとしていた。 かつての親友のあまりに醜悪な姿に、思わず後ずさりしてしまうまりさ。 「むぎょえぇぇぇぇ!!だいすきなまりざ!!いっじょにずっぎりじまじょうねええええ!!」 「やべでねぇ!!おまえなんかまりさのともだちのぱちゅりーじゃないよ!! ぎれいなぱちゅりーをけがすしにゆっくりはもういっかいゆっくりじねえぇぇぇぇ!!」 「むぎゃああああああ!!どぼじでぞんなごどいうのよほおおおおお!!?」 形の崩れたぱちゅりーの眼窩に、どろりとした粘性の涙が溢れる。 泣き顔になろうとしている表情には、先程の歪んだ笑顔が凝り固まっている。 「どもだぢをうらぎるげすまりざはゆっぐりじにゃああああああ!!」 「ゆ゛ううううぅぅぅぅ!!」 突然噛み付いてくるぱちゅりー。激しい動きが出来るようになった分、凶暴になっているようだ。 しかし健康なまりさにしてみれば緩慢な動きだ。簡単にその攻撃を飛び越えると、ぱちゅりーの頭に飛び乗る。 「むぎゅ!?よげないでよまりざぁぁ!!わだじだちどもだちでしょおおおおお!!!」 「うるさいよぉぉぉぉぉ!!ゆっくりしないでつぶれてねええええええ!!」 それ以上、大好きなぱちゅりーが醜い姿を晒しているのがまりさには我慢出来なかった。 必死に飛び跳ね、泣きながらぱちゅりーを押しつぶすまりさ。 「むぎゃっ」「むぎょっ」という悲鳴を上げ、ぱちゅりーは少しずつ平らになっていく。 自分が死んでも、最後までまりさを気遣ってくれた、賢く慈愛に満ちた親友ぱちゅりー。 そんな美しいぱちゅりーは、今もまりさの中に生きている。 それを守るため、目の前にいる醜い怪物は今すぐこの世から消し去らねばならない。 「づぶれろっ!!づぶれろっ!!ゆっぐりぎえろおおおおぉぉぉ!!!」 「むぎっ、やばで、ぐびっ、まいざ、どもだぢっ、でじょっ、むぎょっ」 まりさは息を切らせながら、なかなか死なないぱちゅりーをストンピングし続ける。 しかし帽子の上に乗って見下ろすと、醜い身体や表情は見えず、まるで仲良しだったぱちゅりーがそこにいるよう。 柔らかい帽子の感触に、ふわりと良い匂いのしたぱちゅりーの髪を思い出し、胸を締め付けられるまりさ。 だが、押しつぶす度に飛び散る餡子汁の饐えた匂いが、まりさを残酷な現実に引き戻すのだった。 ぱちゅりーが潰れていく度、どんどんとまりさの目線は下がっていく。揺れ動くお花の黄色が悲しい。 そして完全にぺたんこに押し潰し、ぱちゅりーを再び殺した時、まりさの目の前には今まですっかり忘れていた、 満面の笑みを浮かべたおりんの姿があった。 「じゃじゃーん!!ゆっくりなかよしできた!?」 「ゆぐ・・・こんなのいやだよ・・・もうまりさゆっくりできないよ・・・れいむのとこいきたいよ・・・」 ゆっくりおりんの能力、それは死んだゆっくりをゾンビ化して操ること。 死体は多少なりとも原型を留めていることが条件で、ぐちゃぐちゃに飛び散った餡子を操ることは出来ない。 よって、完全に砕かれたり潰れたりしたゾンビゆっくりは、おりんの制御下を離れてただの死体に戻る。 山の中でまりさを見初めたおりんは、まりさに一目ぼれし、それ以来ずっと遠巻きに眺めていた。 とっても友達思いで優しいまりさ。勇敢で山を自在に駆け巡るまりさ。 そんなまりさと仲良くできるチャンスを伺っていた時出くわした、まりさの親友ぱちゅりーの死。 れみりゃが来る前に死体を回収したおりんは、ゾンビ化したぱちゅりーにリハビリさせ、今日のこの時を待っていた。 単純なおりんは、友達を生き返らせればまりさはとっても喜んでくれて、自分とも仲良くなってくれると思った。 だから目の前で泣きじゃくるまりさが、悲しみに暮れているなどとは微塵も思いもしない。 おりんの周りでは、死んだの生き返るのが日常茶飯事。 その死生観は普通のゆっくりとはかけ離れたものだったが、おりんにその自覚は一切無かった。 そんなことを知る由もないまりさは、ゾンビぱちゅりーの出現とおりんを結び付けることなどできない。 せっかく新しい友達が出来たのに、一緒にゆっくりする気になれない。こんな辛いことがこの世にあるなんて。 はやく親友のれいむのところにいって、いっぱい優しくしてもらおう。 ゆぅゆぅと息を荒げて憔悴するまりさ。目は悲しみに潤み、頬は上気している。 どういう訳かおりんにはそれが、いっぱい遊んで興奮しているように映ったらしい。 「じゃじゃーん!!つぎはおりんとゆっくりしてね!!」 「ゆっ?またあしたにしてね・・・いまはゆっくりできな・・・ゆべっ!!」 おりんの突然の激しい体当たりに、まりさは前のめりに転んでしまう。 おりんは頬を擦りつけようとしただけだったが、大好きなまりさと遊べて興奮しているおりんの動きは、 疲れ果てたまりさにとっては充分な暴力だった。 「ゆぐぐ、なにするの!?ゆっくりはなれてね!!」 「ゆゆ~ん!まりさだいすきだよ!!おりんとすっきりしようね!!」 「なにいっでるの!!やべろぉ!!ゆっぐりはなれてええええ!!」 おりんはまりさに激しく頬を擦りつける。二匹の擦れあいの中に粘液のネチョネチョという音が混じり始める。 まりさには全くその気は無いのだが、おりんがなかなかのテクニシャンなのか、どんどん感度を高められていく。 今しがた親友を惨たらしく殺した自分とすっきりしそうになっている自分が、まりさの中で噛みあわない。 「い、いやだあぁぁぁ!!いまはずっぎりじだくないいいいぃぃぃ!!」 「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ!!はやくすっきりしてね!!」 「ううううう゛う゛う゛あ゛あ゛ああああああああああずっぎりーーーー!!」 反射的に至福の笑顔を浮かべてしまうまりさ。が、すぐにそれは苦痛の表情へと変わる。 まだおりんの擦りつけが止まないのだ。 「なんでえええぇぇぇぇ!!まりざもうずっぎりじだよおおおぉぉぉぉおぉ!!」 「おりんはまだだよ!まりさはもっとすっきりしていってね!!おりんとかわいいあかちゃんつくろうね!!」 「やべでぇぇぇぇぇぇぇもうずっぎりじだぐないよぉおおほおぉぉぉぉ!! まりざはれいむのおうぢにいっでゆっぐりするのおおおぉぉぉぉぉぉぉすっきりー!!」」 ゆっくりおりんは、気に入ったゆっくりの死体を手に入れたがる性質がある。 死体使いの性分と、死体にしか種付け出来ないという生物(?)的性質に由来するものだろう。 そのためにはどうするか。自分で気に入ったゆっくりを死に追いやってしまえばいいのだ。 だからおりんがすっきりを始めたら、誰かに無理矢理止められるか、相手が死ぬまでやめない。 そして相手が死んだ時、初めておりんはすっきり出来るのだ。 その快感は、通常のゆっくりがするすっきりの七倍だとも言われる。 「んほおおおおおおおおおずっぎりー!!おりんもうやべでぇぇぇぇすっきりー!!まりざじんじゃああああすっきりー!! じんじゃうよおおおおおぉぉぉぉすっきりー!!ゆっぐりでぎないいぃぃぃひひいいぃぃぃすっきりー!! でいぶだずげでええええええすっきりー!!ゆっぐりざぜでよほほほおおおおぉぉおんすっきりー!! ゆっ、ゆっゆっ・・・すっきりー!!えへあへあへへへおほお・・・すっきりー」 段々と濁っていくまりさの思考と瞳。激しい疲労から抵抗は無くなり、おりんに突き動かされるままだ。 それでもすっきりした時に本能的に見せるマヌケ面はずっと変わらない。 やがて何十回目かの「すっきりー!!」の後、その顔のまま固まって動かなくなるまりさ。死んだのだ。 「んにゃあああああああああああ!!すっきりーーーーー!!!!」 激しく動き続けていたおりんも、その時初めて絶頂に達し、これ以上無いような最高の笑顔で大きく伸び上がった。 ゆっくりを過労死させるほどの激しいすっきり行為に打ち込んできたおりんも、当然疲れている。 そのままへにょんとへたり込み、まりさの笑顔の死体の前でゆっくりと休み始めた。 やがて死んだはずのまりさの表情がもごもごと動く。 皮膚の内側で何かが蠢いているのだ。 それを確認したおりんはゆっくりするのを止め、固唾を呑んで様子を見守りはじめる。 その蠢くものは、締め付けの無くなったまりさの産道を無理矢理押し開き、外に飛び出してくる。 「「「「「ぢゃぢゃーん!!ゆっくちちていってね!!」」」」」 「じゃじゃーん!!おかあさんだよ!!ゆっくりしていってね!!」 それはゆっくりおりんの赤ちゃんたちだった。 まりさの死体いっぱいに詰まっていたかのような何匹もの赤ちゃんが、うじゃうじゃと這い出てくる。 中身をほとんど赤ちゃん達に奪われたまりさの死体は、皮だけになって地面に広がった。 死体から産まれたにも関わらず、普通のゆっくりと変わらず瑞々しく元気な赤ちゃん達。 一応胎生出産型に含まれるのか、大きさはソフトボール大で、子ゆっくりに近いサイズだ。 これからお母さんに死体の操り方などを学び、一人前のゆっくりおりんになっていくのだ。 ちなみに生まれるのはほとんど赤おりんだが、 今回の場合は一匹だけ、母体となったまりさの赤ちゃんが混じっている。 おりんはその性質上、他のゆっくり達となかなか仲良くなれないことがある。 そんな時、家族の中に他種のゆっくりが混じっていることで、ある種の外交役を務めるのだ。 一匹だけ姿が違っても差別されたりすることはなく、家族の愛に包まれてゆっくりと育つ。 「ゆ~!まりしゃおなかしゅいたよ!」 「おりんもおにゃかすいた~!!」 「じゃじゃーん!これがさいしょのごはんだよ!ゆっくりたべてね!!」 今しがた赤ちゃんたちが飛び出して来た親まりさの死体を差し出すおりん。 赤ちゃんたちは嬉しそうに飛びつき、ほとんど皮だけになったそれをうまうまと食べつくしていく。 「ゆゆー!おかーしゃん、ゆっくちあしょそぼうね!!」 「そうだね!!このみちのさきにまりさおかあさんとなかよしのれいむがいるそうだから、あいさつしにいこうね!!」 「ゆっ!まりしゃれいみゅとにゃかよくしたいよ♪」 「「「「ゆっくりいこうね!!」」」」 おりんの中に、愛するまりさを失った悲しみなど無い。 あったとしても、赤ちゃん達の生まれた喜びの前にはそんなもの無きがごとしだ。 生物が異性を愛するのは、ひとえに子孫を残すため。おりんはある意味、非常にシンプルで快活と言えるかもしれない。 「じゃじゃーん!」と合唱しながら、おりん一家は山道を行進していく。 後には饐えた匂いと、二つのゆっくりの帽子が残っているだけだった。 おしまい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/261.html
※俺設定で俺解釈です。さらに 三番目の卵生型に関して、 愛でWiki掲載。話の長い人氏 作 「ゆっくりの産卵」を参考に、 自己解釈をしています。 ご了承の上で、どうぞお進みください。 以下、愛でスレ6内に有った表示を使用 ※以下注意 大筋:シ、 内容:性、家 人物:一応、書いた作者と言う形で人間が存在 舞台: ここに私が知ることが出来たゆっくり達の最大の喜びの一つである「出産」のことを書き記そうと思う。 どうか、これがゆっくり達との相互理解の一つの足掛けとなることをせつに祈って・・・。 Y教授 『Y教授の書記 ゆっくりの生殖 ~子供達とゆっくりしていってね!!!~』 ~茎型の喜び~ おはよう、我が子たち。 「ゆっくりおちてきてね!!!」 「ゆっくりがんばってね!!!」 まりさが見守る中、れいむが生やした茎から、5体のゆっくりが産まれそうだ。 一週間前、すっきりの後から少しずつ芽吹いた茎の実がようやく目覚めるところだった。 平均3~4cm程度、もう既にゆっくりの姿が出来上がっている。 それぞれがゼリー状の薄膜でおおわれ、今か今かと誕生を待っているようだ。 ぱちりっ!!と 各々目が開いていく。もうすぐ生れ落ちる兆候だ。 「ゆっくり~!!!ゆっくりおちてね!!!!」 「ゆ~!!もうちょっとだよあかちゃん!!ゆっくりがんばって!!!」 その様子をまりさが歓喜し、れいむは上目で応援をする。 ぶるぶると身体を震わせる赤ちゃんたち。 産まれる為の一番初めの大仕事。それがこの身体を震わせる行為。 この行為をもって、それまで生命を支えてきた母なる茎から地に、新たな一つの存在として地に降り立つのだ。 ぼと、ぼとぼとぼとぼと!!! 全身を覆うゼリー状の薄膜が着地の衝撃から護る。 無事に生まれ落ちる子供たち そして第一声。 「「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」」」」 この発生こそが人間の産声と同意である。 そして産声と同時に、未熟で柔らかな表皮を護っていたゼリー状の薄膜が口の中に流れ込む。 味は無いがこの無意識の吸収が始めての食事であり、同時に免疫抗体を作る為の大きな一つとなる。 口に入らなかった分はその身体自体に吸収され、皮膚外部の菌への防御の為に皮膚組織の抗体となるのだ。 茎が即座に枯れ、頭頂部からボロボロ崩れながらポロリと外れた。 出産と同時に役目を終えた茎は頭から抜け落ち、崩れて土へと帰る。 プルプルと身体を横に振り頭に残った茎の破片を落す母れいむ。 プルプルと身体を横に振り体に残った薄膜の水分を飛ばすちびれいむ、ちびまりさ。 その光景を涙を流し、しあわせな顔で見つめる父まりさ。 「ゆ、ゆ、ゆゆっくりしていってね!!!」 「とっても、とってもゆっくりしてね!!!!」 「「「ゅ~!おとーしゃん、おかーしゃん!」」」 「「ちょってもゆっくち、とっちぇもゆっきゅり!」」 夫婦は喜びに満ち溢れ、その歓喜につられきゃっきゃとはしゃぐ赤ちゃんたち。 だが、本当の苦労はこれからだ。 ちびゆっくりは言葉は知っているが、どの言葉が何を意味するかほとんど理解していない。 ゆっくりするイメージとほんの小さな知識を、僅かにぼんやりと持つだけだ。 しかし、夫婦は彼女たちの生の中で培った知識を教え、皆で仲良くゆっくりする。 悲劇も襲ってくるかもしれないが、それでも懸命に家族で生きていくだろう。 ~胎生型の思い~ 後世に響け、我等がゆっくり。 「ゆぅぐぐぐっぐぐ・・・!!!」 「ゆっくりしてね、ゆっくりうんであげてね!!!」 ここのまりさはありすとのすっきりの末、自らの胎内で育むことを決意した。 近くに手軽な餌場が無く、水場が近いがゆえ外敵も存在するため、子供の安全性を求めたのである。 「ゆっくり、ゆっくり、まるでとかいはのように!!!」 「うるさいよ!!ぅっ・・・これからこどもうむんだからしずかにしてね!!!」 通常時には存在しない産道が開いて、中の子供が見えている。 そのせいかまりさの気が荒い。考えれば当たり前のことである。 子供が飛び出しすぎず、それでもなお楽に出て来れる様、産道として構築された穴に細心の注意を払っているのだから。 とはいえありすに悪気が無いことは、まりさとて承知ではあった。 2ヶ月ものの間、60cm程にまでなった身体を支える為の多くの餌を、一人危険の中駆け回り集めて来てくれたのだ。 帽子が身体に合わない大きさでちょこんと乗った、その愛しい妻の身体からまもなく子供が生まれる。 その喜びにはしゃいでいるだけだと、まりさも理解していた。 「う、う゛ばでるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅっぅ!!!」 「ゆっくり、ゆっくり、してねーーーーーーー!!!」 まりさが呻き、ありすの興奮が頂点に達する。 入り口にまで出てきた子供の目がついに開いた。 「ゆっっ!!」 ぽん!! 大きな音と共に、だいたい1mの距離を飛び出す約10cm程の子まりさ 「ゆっくりしていってね!!!」 突撃のショックを和らげる為の粘液をブンブンと振り払い、子が放つ第一声。 胎内で害にならない程度の菌を受けながら成長して母体から抗体を得る為、茎型の薄膜のように吸収する必要は無い。 「ゆっくり、とってもゆっくり!!!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆ・・・ゆっくりしていってね・・・。」 父ありすは焦りながらも挨拶を返し、疲れた様子の母まりさも息を切らしながら返す。 だが次の瞬間。 「ゆうっぐぐぐぐぅぅぅぅう!!!」 「どうしたの、まりさ!!」 「ゆ?どーしたのおかーさん?」 出産の喜びに一時は歓喜を浮かべていた母まりさの顔が再び紅潮し、緊張する。 「ゆっうううううううう、ま、ま゛だ、うまあれえるうううう!!」 「まだうまれるのね!!ゆっくりがんばって!!!」 「おかーさん!!ゆっくりがんばって!!!」 二ヶ月間胎内に居た子まりさは、ある程度の知識と身体を受け継ぎ、持って産まれてきた。 これこそが胎生型の最大の利点である。 親が得た知識を全てではないものの、鮮明に引き継ぐことが出来る上に 産まれ出た時に、ある程度の大きさを持つ子ゆっくりとして、ちびゆっくりよりも頑強な状態で母体から出て来れるのだ。 ただ、一度に産める数が少ないし、母体にかかる負担が大きい上、さらには長い時間がかかってしまう。 その困難を夫婦で乗り越えた先にある喜びは大きいが、その分辛い選択ではあろう。 新たに生まれた子まりさと夫ありすの声を受けて母まりさは力を振り絞る。 「ゆっ!!!!!!!」 歓喜の顔、俗にヘブン顔と呼ばれる顔に近い表情でもう一人の子を産み出す母まりさ。 「ゆっくりしていってね!!!」 子の生への喜びの第一声。 「ゆぅ~ゆ、ゆゆゆ、ゆ!ゆっくりしていってね!!!」 「これからおねーちゃんたちといっしょにゆっくりしようね!!!」 産まれ飛び出た子供、子ありすの第一声を迎える父ありすと子まりさ。 皆感動のしあわせ顔で子ありすを受け入れ、共に母の元へ向かう。 母まりさの身体は妊娠前の元の大きさに戻り、ようやく安心した表情で横たわっていた。 そして皆でそろって一声 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 その引き継がれた身体と知識で、この家族は皆で苦難を乗り越え生きていくだろう。 皆の楽しげな声が住処の中に響いていた。 ~卵生型の悲哀と決意~ 亡き父と母に送る、ゆっくり。 それは秋の終り 卵を吐き出したぱちゅりーに、その上から命の源を吐きかけ終えたちぇん。 「わかるよ~・・・また・・・いっしょに・・・とっても・・・ゆっくりしようよ・・・。」 先に逝ったぱちゅりーを舐め、慈しむ様に身体を擦りつけるちぇん その心地よい感触の中やがてちぇんも安らかに眠った・・・。 厳しい冬を越え、やがて春は訪れた。 ここは厳しい山岳、岩山に囲まれた地方。 来る者を拒み、出て行こうとするものを阻む陸の孤島。 そんなところであろうと、力強く生きているゆっくり達が居た。 そのうちの一つの家族。 かつて親が残した深い、深い、洞穴の中。 微かに漏れる春の日差しにの中、彼女たちは産まれ出でた。 既に大きさは20cm程、成体ゆっくりと呼ばれるほどのサイズだった。 冬の間。 生命を賭して生み出された多くの卵は親の振りかけた命の粘液を通じ癒着し、一つの集合体と成る。 こうして寒さに負けてしまった卵を自己の栄養として生きた卵が吸収していくのだ。 命に成ることの叶わなかった兄弟達を、さらに生き延びる兄弟に渡していく・・・。 厳しい環境の中、卵生型に進化したゆっくり達の産まれる前からのリレー、ゆっくりさせる心の真髄だった。 そして春の始り。 多くの兄弟達の卵が寒さに負けていく中、 春の訪れを迎えた3つ程の大きな卵が出来ていた。 ピキッピキピキ!! ガラガラと卵の表面が割れていく。そして中から 「「むーしゃ、むーしゃ」」 「むきゅ、むきゅ」 殻を食べて自分が出て行くための穴を作る。 ちぇん二体とぱちゅりーだった。 ぽっかりと穴の開いた殻を飛び出して一言。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 しかし誰も迎えることは、無い。 「おかーさん、おとーさん・・・。」 「わかる、わかるよー・・・。」 「むきゅ・・・。おかあさんたち。ふたりでなかよくゆっくりしてね・・・。」 だが、それがなぜなのかを子供たちは即座に理解し 父と母はもっともゆっくりできる場所に二人で居るのだと、思慕を捧げた。 卵生型が卵を産む際に、ゆっくりはその命の全てを使い果たす。 この厳しい環境に負けずに“つぎ”に全てを託す為だ。 ゆえに約一季節もの長くの間、卵の中に在った子達は もはや成体に近い体と寒さに強い皮膚を卵の中で、兄弟たちのリレーと卵自身の成長を介して得、 そして受け渡された親の知識は有精化した際に、産まれる頃に発現する情報として得ることが出来たのだ。 全てを託し亡くなった親。 その命を生き残った兄弟に分け与えた産まれえぬ者達。 それら全てを背負い、 ちぇん達はこの過酷な大地でゆっくりを求め歩き始めた。 ~分裂型、水への囁き~ 激流に身を任せ、ゆっくりする。 「にーとーりー♪」 「ゆっくりしていってね!!!」 にちょりとまりさのカップルだ。 幼い頃は水中に居ることの多いにちょりも、時期が来たら川辺や湖の岬に上がって来る。 自分が水中内で発案したものを発明品として作ったり、他のゆっくり達とコミュニケーションをとる為だ。 基本的に自分の興味のある事以外はスルーしがちなにちょりも、自らの発明に興味を持ち、 製造する時に手伝ってくれる存在には、なによりも心を許していた。 それがこのまりさだった。 自己中心的だったにちょりを時に叱り、皆の輪に加われるように積極的に行動するまりさに 初めて心を奪われ、そして一緒にゆっくりしたいと思うようになったのだ。 「ぷちゅ・・・ちゅぱ・・・んぷぅ・・・。」 「ちゅぷ・・・。ねえにちょり、すっきりしよう?」 まりさとにちょりの間に透明な橋が架かる・・・。 わずか一瞬で消え去る輝く橋・・・。 「うん、すっきりでこどもをつくろ・・・まりさ。」 もう一度くちづけを交わし、二人の体が重なり、優しく触れ合うことを繰り返した後、緩やかながらも激しく振動を起す・・・。 振動行為。 これがゆっくりの生殖行為である。 人間に任意に起すことが難しい、緩急の付いた特殊な周波数の振動。 それこそが、ゆっくりたちにとってもっともすっきりと快感を得る振動であり、同時に愛の営みである。 そして、この振動は生殖器が存在しないゆっくりという生物にとって必要不可欠である、体内の劇的な変化をもたらす。 半液状化。 体内の組織と皮膚ないし皮下部を一時的に過剰なまでの柔軟化をもたらし、 上に乗り行為を行う側が絶頂の際に体内から皮膚外に分泌する、生命の源である一際に濃い粘液を受胎する側のゆっくりの体内に浸透させる。 しかし一定以上の条件を満たさない一方的な行為や、過剰な性行為は体内組織を致命的に破壊するために死へと繋がり、時に悲劇となるのだ。 「「すっきりー!!」」 同時に絶頂であるすっきりを迎え、無事に妊娠することが出来たにちょり。 そして、わずか3日後 水分が多いわらび餅である、にちょりが選んだ特殊な出産方法が始まることとなった。 「う・・・きゅう・・・いたぁいいい・・・っ!!!」 まるで胎生型の様な痛がりを示す、にちょり。 しかしまだたった3回朝が来て夜が来ただけだ。しかも、餌も何時もどおりであったし大きくもなっていない。 まりさは初めてのことに動揺した。 にちょりに、そして自分の子供になにかあったのだろうか? 不安に駆られる中、にちょりに声をかける。 「どうしたの!?いたいの!?だいじょうぶ?しっかりしてね!!」 こういう時に父親は悲しいかな情けないものである。ただ取り乱すまりさ。 「だ、だいじょうぶ、すこしはなれてて・・・。」 落ち着いた様子で話しかけるにちょり。 慌てた様子でずりずりと離れるまりさ。 何が始まるのか・・・。 「ゆっ!ううううううううううううううううううう」 プルプルと震えるにちょりをただ不安げに見つめるまりさ。 その次の瞬間だった。 「ゆっ!!」 ポロンッ!! にちょりの頬から2cmほどの球体が分裂した。 「ゆっ!!!」 ポロンポロロン!! 12個ほどの球体がにちょりの頬から分裂すると。 そのうちの8個に徐々に目と口が現れ始めた。 しかし、肌は真っ白でまだ毛も生えていないし、飾りも出来ていない。ただ、それぞれ両親を思わせる表情があるのみだ。 まりさはぽかんと口を開けたまま終始?を浮かべることしか出来なかった。 「まりさ!あかちゃんだよ!!」 そういわれて初めてまりさは気が付いた。 言葉は「ゅ~」「ゅっくち」としか喋っていないが自分とにちょりに懐いて来ている。 そしてその表情の面影は確かに、にちょりであり。自分たちまりさなのだ。 すりすり、すりすり、弱々しい、赤ちゃんゆっくりよりもぶよぶよとしたその身体。 水気が強く、それが外界の菌に対する唯一の守りであり体内での抗体として、弱くも機能するのだ。 もっとも短い期間で大量に産む事が出来る分裂型は、まだちびにもなっていない状態で生まれる。 ゆえに過酷にも生後まもなくに死を迎えることが多いが、水中で茎型を選ぶことの出来ない、にちょりが数多く子孫を残す為に良く選ぶ方法である。 このにちょりはカップルとして地上に残ったが、多くの場合にちょりは妊娠後、水中に戻り子育てをする。 ゆえに進化の過程で作られた独特の出産法だった。 にちょりと自分に纏わり付く白いちび その愛らしい瞳見つめられてようやくまりさはにちょりと共にあの言葉を捧げる。 「「みんなゆっくりしていってね!!!」」 「「ゅっくち、ゅっくち!」」 「「ゅ~」」 「「ゅぅ」」 「「ゅっくちぃ!」」 この子達全てが、数週を経てちびゆっくりとなり、子ゆっくりとなれるわけではないかもしれない。 だが、それでもこの夫婦は平等に愛し、ゆっくりしていくだろう・・・。 いかがであっただろうか? ここに記したものはゆっくり達が出産の際に自己で選択する、新たな生命を目指す形のごく一部である。 そして、忘れてはいけない。ゆっくり達はその可能性のある限り様々な形を産み出し続けて行くのだということを・・・。 Y教授 著 『ゆっくりの生態』より 一文 ※あとがきと言う名の言い訳 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。 これは実はかなり初期に書いた「自己見解の出産もの即興」に色々付け足したものです。 ゆえに、ゆっくりの出産というのはどんな感じだろう、 とイメージされる際のアクセントにでもしていただければ幸いです。 なお、分裂型とにちょり本体については一応完全な自分設定です。 にちょりについては原作含めの完全な自分のイメージ。 分裂型については、素饅頭を組み込んでみたかったので、ああいう形となりました。 ホントはそのまま分裂でも良かったんですが色々と出産法による利点が被るかなと・・・。 後、三番目の卵生については、冒頭で述べたように無断で他作者様の作品からの自己見解を文の一部として組み込んでおります。 作者様に多大な感謝をしつつも、もし問題であるようなら修正します。 即興の人 ゆっくり生命の神秘 -- 名無しさん (2009-07-15 21 43 19) いい話だった。生き物としていい書き方してます -- 名無しさん (2009-09-22 00 33 58) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2567.html
ぬるいじめ というか、お兄さん自身は苛めてません。 ゆっくりの生態は自分設定です。 ある家にお兄さんが住んでいました。 お兄さんはまりさと犬を飼って平凡に生活していました。 さて、新年になりはや一月も過ぎた頃のこと。唐突にお兄さんはもちを食べることにした。 それを目ざとく見つけたまりさが自分も食べたいと頼んできました。 「うぅん……もう残り少ないからなぁ」 「おにいさん、まりさはすこしでいいからまりさもおもちをたべたいよ!!」 「そうか……残り10個だからまりさには2個あげよう」 「わぁぁい!」 8個も食うと太るますよお兄さん。 それはさておきお兄さんは餅を焼き、まりさと一緒に食べることにしました。 「いただきます」 「ゆっくりいただきます!」 食べ始めて間もなく、がっついていたまりさの顔色がどんどん悪くなっていきました。。 「ゆがっ!?」 「どうしたまりさ!?」 「い、いぎが……」 「だから慌てて食べるなといったのに!急いで食べた結果がそれだよ!」 「ゆぅぅぅぅ……」 どうやら息は少しできるみたいです。 とは言ったもののこのままではまりさが死んでしまう。隣に住んでいる友達を呼んで、どうするべきかを話し合うことにしました。 えらく悠長ですね。 「掃除機は?」 「ダメだ、以前それやったら餡子吸い取って大変だったらしい」 「叩いて吐き出させる」 「それもやっぱり餡子が出たそうだ」 「もういっそ手を突っ込んで……」 「餅どころか中枢抉り取りかねんぞそれ……」 「ば、ばやぐだじゅげで……」 まりさの声が聞こえて、ふとお兄さんはある結論に至ったみたいです。 「なぁ、まりさ……お前喉ってどこにあるんだ?」 その言葉にまりさは目を見開き、 「ゆぁっ!? そ、そーいえばそーだったよ!!」 今までの苦しみっぷりは何処へやら、スッキリした顔になりました。 「全くはた迷惑な………」 ゆっくりは思い込みの激しい生物である、と幻想郷の学者さん達は報告しています。 餅を慌てて食べると喉が詰まる、と聞けばそうなるし、 子供の産み方などもその地域によって変わる。平和な地域ではすりすりが普通なのに対し、 人里に近いところではぺにまむ、となっている、という統計も出ている。 極端な話ではうーぱっくが赤ちゃんを連れて来るんだよ、と群れに広めたところ、 本当にうーぱっくが赤ちゃんゆっくりを連れてきた、という話も報告されているそうです。 いやホントゆっくりという生物は理不尽が体を持ったような生物ですね。 「で、でもほんとにくるしかったんだよ?」 「うん、それはわかるよ。顔色凄く悪そうだったからね、でもお兄さんが聞いてそういえばそうだと思ったら治ったろ?」 「そうだね!ゆゆっ!お、おっきないぬさん、こ、ころがさないでね!!ゆっくりできないよ!」 今の騒ぎで起きた犬のコロにまりさはころがされているようです。 「ははは、コロ。程ほどにしてあげてね!」 「ひゃんひゃん」 いつもはお兄さんも止めるのですが今日はまりさのせいで少し慌てたので少しお仕置きです。 「べ、べがばわるぅぅぅぅぅ!!」 いやぁ、今日も寒いですね。 後書き ヌル虐めってレベルじゃないですね、これ。ですが、ゆっくりにとってころがされ続けるってのも結構きついかなぁ、と思ってしまったり。 スレで募集した手前これからはパロ饅(もしくはパロマン)と名乗ろうか、と思います。 ぱくまんだったらゲ○ムになるところでしたね。 せんとうすぃー2 せんとうすぃー キノコのないドス れえざー ゆっくりこうないえん2 ゆっくりこうないえん ゆ虐 小ねた 食べ物の恨みは・・・・・・ やってみよう何でも実験 罠 やってみよう何でも実験 ゆっくりと現代 ドスに纏わる二、三の話 fuku3313.txt 小ネタ 中立な話 小ネタとちぇん あ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/378.html
冬。 吹雪の吹き荒れる中、雪原をゆっくり這うゆっくりまりさの一家がいた。 この寒い中何時間も雪原を彷徨い、ご自慢の黒帽子も雪に塗れて白くなっている。 「・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「さむいよ・・・ゆきさんゆっくりやんでね」 「かぜさんはゆっくりできないから、とっととやんでね・・・」 母ゆっくりまりさは、子ども達の疲労を声で感じ取り、極度の焦燥感と悲しみに襲われていた。 冬の初めになっても、相も変わらずゆっくりした結果がこれだよ! 巣穴を寒波から守る資材もなければ、飢えを凌ぐだけの食料もない。 このまま篭っていたところでは、フローズンゆっくり詰め合わせになるのがオチだ。 当てがないのは分かっていても、皮を刺すような寒さの中、少しでも役立つものを求めて彷徨わざるを得なかった。 「ゆ・・・おかあさん、ねむいよ・・・まりさをゆっくりねむらせてね・・・」 「・・・だめだよ・・・ねるとずっとゆっくりしちゃうよ・・・ゆっくりすすんでね・・・」 「ゆぅ・・・つかれたよぅ・・・」 「おうちにかえったら、ゆっくりしようね・・・」 もう限界だ。やはり、この時期に外を出歩くことは無謀だったのだ。 おうちで待つよりちょっとだけ早く、ずっとゆっくりすることになるだけ。 そう思ったとき、後ろの子ども達の動きが止んだ。 まずい。何とかしなくてはと思った刹那、母まりさの体からも力が抜けていった。 「・・・ゅ・・・ゅぅ・・・」 崩れ落ち、雪の上に埋もれる。雪原に動かなくなった饅頭が5体、静かに横たわった。 雪に顔を埋め、子どもたちの前ではけして見せなかった涙を流しながら、思った。 もうだめだ。ごめんねみんな。ごめんねれいむ、もうゆっくりできないよ。 そのまま母ゆっくりの意識は深い闇に沈んでいった。 母ゆっくりまりさが目覚めると、そこは暖かく明るい空間だった。 壁や床は清潔感のある白いつるつるしたパネルで構成されており、幾つかの壁にはボタンのようなものがある。 光源は殆どないが床と壁のパネル自体が柔らかい光を出して空間全体を明るくしている。 高さは母ゆっくり2体分程度で、それほど広くはないがゆっくりたちにとっては十分すぎるほどのゆとりがある広さだ。 1箇所だけ壁が透明になっており、そこから外の様子が見える。外はまだ雪が降りしきっているようだ。 子どもたちは?!・・・ゆぅゆぅと寝息を立てながら、周りでまだ寝ている。帽子を包んでいた雪もない。 ・・・助かったのか?そしてここはどこなのか?母まりさが頭に?を浮かべていると、フラットな声質の声か聞こえた。 「お目覚めですか?」 声のした方向にふりむくと、壁のパネルの一部にヒトの顔が映っている。 部屋を構成するパネルは一種のモニターのようなもののようだ。 理屈はよく分かっていない母まりさだったが、警戒心はあるようで(ゆっくりなりに)身構える。 「心配しなくてもよいですよ。私はあなた方の味方です」 「ゆ?お姉さんがたすけてくれたの?」 「そういうことになります」 ゆっくりできる人のようだ。ゆっくりブレインなりの解釈で、母まりさはあっさりと警戒を解いた。 「随分お疲れのようだったので、こちらに運ばせていただくことに致しました」 「ゆ!そうだ、ここはいったいどこ?」 「あなたがたの新しいおうちです」 新しいおうち?ここが?・・・確かに今あるおうちに帰るのはもはや自殺行為だが、ここはここで勝手がよく分からない。 「ゆ!よくわからないよ!」 「こちらは皆様がゆっくり冬を過ごせるように弊社の技術の粋を結集して製作された、最高のゆっくりプレイスなのです」 「ゆ!ゆっくりできるの!?」 それから画面の中のヒトは、この空間の説明をしてくれた。 曰く、外部からは強固な壁に守られ、唯一外界に通じるドアは強化ガラス製で、ピストルの弾が当たってもびくともしない。 更に電力がある限り暖房が効き、壁に設置された色つきのボタンを押すことで随時いろいろな機能が稼動するという。 おなかがすいたら黄色のボタンを押せば、食料庫から甘いお菓子が送られ、壁に開いた穴から出てくる。 ゆっくり歌が歌いたければ青色のボタンを押せば、ゆっくり向けの歌(というか、ゆーゆー言っているだけ)が流れる。 ゆっくりしたきれいな風景を見たければ緑色のボタン。空間全体を取り巻くモニターパネルが美しい景観を見せてくれる。 その他たくさんのボタンと機能を紹介し、この空間はゆっくりのために作られた、最新鋭のゆっくりハウスであると彼女は語った。 ちょっと前まで吹雪の中をじりじりと歩いていたことから比較するまでもなく、天国のような場所だ。 ・・・こんなうまい話を聞けばヒトなら疑いそうなものだが、ゆっくりブレインはおめでたくできているようで 「ゆっくり!それじゃあここはまりさのおうちにするね!!」 と大満足のようだ。 最もヒトのほうも特に悪意もなければ妨害するつもりもないらしく、いたって優しい笑顔でそれを認めた。 (実はこの"ヒト"もまたこのゆっくりハウスに搭載されたサポートAIである) 「そういうことです。快適な冬越しをお過ごしください。そう、1つ申し上げ忘れたことが」 「ゆ?なあに?」 「申し訳ありませんが、このハウスの食料庫とバッテリーに限りがございます。 冬越しには十分な量をご用意させていただきましたが、枯渇してしまうと当ハウスの機能は停止します。 春をお迎えになられましたらこのハウスからの退出手続きをお取り下さい」 「ずっとゆっくりできるわけじゃないの?」 「はい」 「しかたないから、やさしいまりさはゆるしてあげるね!でもてつづきってなあに?」 「壁にある赤いボタンを押すことで退出手続きに移行し、完了後あちらのドアが開きます」 「ゆ!わかった!でるときはあかいのをおすんだね!」 「その通りです。それでは・・・"ゆっくりしていってね!!"」 「ゆっくりしていくね!!」 本能に焼きついたワードで子どもたちも目が覚めたようだ。早速この天国のような場所の機能を教えてあげよう。 そして心ゆくまでゆっくりしながら、悠々自適な冬篭りを過ごすのだ。 それからたっぷり3ヶ月、ゆっくりハウスはその機能をフルに活用され、 ゆっくりまりさ一家は得もいえぬようなゆっくりライフを満喫した。 おなかがすいたらあまーいおやつを「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!」 歌いたくなったらすてきなお歌を、ゆっゆゆっゆの大合唱。 風景に飽きてきたらぼたん一つで見たこともない美しい風景。 さっぱりしたければオートシャワー。サポートAIもお話の相手をしてくれる。 あまりにも幸せ。あまりにも快適。夢ならば覚めないでほしい。 想像だにしなかった、ゆっくりとした生活がそこにあった。 やがて時は過ぎ、冬ごもりも終わりを迎えた。 ガラスのドアごしから、ほんのりと暖かみを取り戻した陽の光が、 冷たい雪をやんわりと溶かしていく光景が見える。春は近い。 「皆様、お外も暖かくなってきましたね。そろそろ退出手続きをとることをおすすめします」 サポートAIが夢の終わりを告げる。 正直外にいるよりも快適な生活だっただけに、ゆっくりたちもはじめは 「ゆ!まりさずっとここにいたいよ!」「まりさもいたいよ!」 「まりさも!」「もっとゆっくりしたいよ!!」とぐずっていたが、 少々派手に使いすぎたこともあり、ハウスの食料と電力がもう底をつきかけているときくと、 渋々「ゆっくりでていってあげるね!」と了承した。 「退出手続きについてですが・・・」 「ゆ!おぼえてるよ!あかいぼたんをおせばいいんだね!」 「はい。メイン電源が切れても予備電源で6時間ほど受付できますが、なるべくお早めにお願いします。パs」 プツン。 お姉さんの顔といっしょに、部屋中のパネルが一斉に暗くなってしまった。メイン電源が切れてしまったようだ。 何か言いたかったようだが、まぁいい、赤いボタンを押せば出れるんだろう。 母ゆっくりまりさが数ヶ月でまるまる太った体を引きずり、 名残惜しそうに赤いボタンを押すと、壁のパネルが回転し、 JISキーボードと「12桁のパスワードを入力してください」と表示された画面が現れた。 ピストルの弾を受けてもびくともしないガラスのドアから、 ほんのりと暖かみを取り戻した陽の光が、冷たい雪をやんわりと溶かしていく光景が見える。 春は近い。 おわり 設定はよく考えてない
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1868.html
前 種付けゆっくり・後編 ここは山の中腹にある草原。ここは山のゆっくり達が集い、思い思いにゆっくりと過す、いわゆる「ゆっくりプレイス」である。 ゆっくりは仲間達と追いかけっこをしていたり、歌ったり、草原の草花に舌鼓をうったりと楽しく過している。 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 ゆっくり達はお決まりの挨拶の後、親愛の証として頬擦りをする。 その中の1匹がまりさであった。 「きょうもなかよくゆっくりしようね!!」 「「「「そうだね!ゆっくりしようね!!」」」」 まりさは幸せであった。最高のゆっくりプレイスで、大好きな仲間達と思う存分ゆっくりする。 まさにゆっくりらしい生活である。まりさは死ぬまで存分にゆっくりできると思っていた。 それは他のゆっくり達も同じである。 今日も夕方まで思う存分ゆっくりとし、夜になったらぐっすり寝る。そしてまた次の日にゆっくりする。 それだけで幸せだった。しかしそう上手くいかないのがゆっくりであった。 朝、いつもの様に目が覚める。いつもの様な心地よい朝だ。しかしその日は少し違った。 「ゆぅぅ・・・きょうはいつもよりねむいよ・・・!」 しっかり寝たはずなのに寝不足である。それもそのはず、このまりさは昨晩虐殺お兄さんに連れ去られ 改造されたまりさなのである。 まりさは寝たりなかったが、いつも通りにゆっくりプレイスでゆっくりと過す事にした。 「きょうもいちにちゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 いつもの通り仲間達とゆっくり過すまりさ。しかし眠気のせいかいつもよりは元気が無い。 「むきゅん・・・どうしたの?まりさ。どこかいたいの?」 「だいじょうぶだよぱちゅりー!ちょっとねむいだけだよ!」 「まりさのげんきがなかったからしんぱいしたじゃない!・・・か、かんちがいしないでよ! ありすとかいはだからともだちのしんぱいをするのはとうぜんでしょ!!」 「なにもないならあんしんしたよ!ひきつづきゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 まりさは引き続きゆっくりした。しかしどうしても疲れが取れない為、夕方前に帰ることにした。 「ゆゆ~・・・きょうはどうしてもねむいからいえにかえってゆっくりねることにするよ!」 仲間のゆっくり達は残念そうだが、無理やり引き止めるのも悪いのでまりさを見送った。 「きょうははやくかえるけど!あしたはもっとゆっくりしようね!!またね!!」 「「「「またゆっくりしようね!!」」」」 挨拶を済ませるとまりさは巣に戻った。 少しゆっくりしようとも思ったが、眠くてしょうがない為餌を軽く食べてすぐに眠った。 朝 「ゆっくりよくねたよ!!」 昨日の疲れが嘘の様に取れていた。その為まりさはまたいつも通りにゆっくりプレイスでゆっくりと過した。 「きょうもなかよくゆっくりしようね!!」 「「「「そうだね!ゆっくりしようね!!」」」」 普段通りのまりさの様子を見て、皆安心して挨拶を返す。 その後はまたいつもの様に夕方までゆっくりと過す。 そしてまたいつもの様に 「またあしたもゆっくりしようね!!」 「「「「またゆっくりしようね!!」」」」 そしていつも通り夜になると眠った。 夜空が白みがかってきた頃、まりさは寝苦しさを覚え目が覚めた。 「う~ん・・・ちょっとあたまがいたいよ!」 といいつつまた寝ようとした時、異変は起こった。 頭に突然激痛が走り、直後めりめりと妙な音が巣に響いた。 「ゆげぇええ!!」 その後体内の餡子が頭の上に吸い上げられる感覚がした。 「あがががが!うげぇえぇぇぇ!!」 まりさは視線を上に向けた。するとそこには大量の蔦が見えた。 数秒程混乱したが、蔦に餡子が吸われているのが分かるとすぐに気付いた。 「な、なんでまりさがにんっしんしてるのぉぉぉおおぉぉ!?!?!?!?!?!?」 まりさは理解できなかった。何故なら今までにすっきりの経験が無かったからである。 夜の内に他のゆっくりにレイプされた形跡もなく、巣の中は寝る前となんら変わり無い。 混乱している最中にも、次々と餡子が蔦に吸われてゆく。 「ぐげげげげ!!!おごごごご!!!・・・」 まりさは白目をむいた。 「ゅっ・・・ゅ゛・・・」 そしてそのまま真っ黒になり朽ち果てた。 20匹分の赤ゆっくりの芽があるだけでもゆっくりにとって危険な上、 通常の3倍程の成長速度のある特製ゆっくりが一気に餡子を吸い上げる。 並のゆっくりでは餡子があっというまに足りなくなり、そのまま死ぬ。 まりさ以外の改造されたゆっくりも、同じ頃に同じ様に朽ち果てた。 そして夜が明けた。 改造された成体ゆっくりは皆つがいが居なかった為、誰の目にも触れずに巣の中で死んでいたが、 改造された子ゆっくりはそうではない。朝起きた時点で家族が見付け、騒ぎ立てた。 「うわぁあああああ!!れ゛い゛ぶのこどもがあああああぁぁぁあ!!」 「おねえぢゃあぁぁあああん!!!!」 などと泣き叫んでいたが、10分もすると 「しんだこどものぶんまでゆっくりするよ!!」 などと言ってゆっくりプレイスでゆっくりしだした。ゆっくりらしく切り替えが非常に早かった。 他のゆっくり達もいつも通りにゆっくししていた。しかし異変は起こった。 昼を過ぎたあたり、まりさの仲間のゆっくり達は妙な倦怠感を覚えた。その直後に体に激痛が走った。 「「「「ゆぎえぇえええっぇぇぇ!!!!」」」」 近くに居たゆっくりが驚き振り返ると、妙な光景が広がった。 そこには頭から大量の蔦を生やしたぱちゅりーとありす、急激に体の膨れ上がったれいむの姿があった。 「「「「ぐえぇぇえええ!うがぁぁああぁぁぁぁあ!!!」」」」 それぞれがゆっくりのものと思えない様な奇声をあげた。 蔦を生やした方のゆっくりは見る見るやせ細っていき、そのまま黒ずんで朽ち果てた。 膨れ上がった方のゆっくりは目玉が飛び出し、口から餡子を撒き散らして朽ち果てた。 3匹のゆっくりが怪死を遂げた為にゆっくり達は大騒ぎしたが、 それでも30分もするとゆっくり達はゆっくりを再開しだした。が、その矢先 「ゆゲぇええエええェェえぇぇッ!!」 ゆっくりプレイスにまた奇声が響いた。 子ゆっくりが子供とは思えない様な奇声を上げたかと思うと、突然膨れ上がり、破裂した。 それを皮切りに他のゆっくり達も奇声を上げ、形を変えた。 先のゆっくり同様にあるものは蔦を大量に生やし、またあるものは急激に膨れ上がり、それぞれ朽ち果てた。 素晴らしいゆっくりプレイスは今や地獄と化した。 ゆっくり達は巣に逃げた。そうしている間もゆっくり達が次々と怪死してゆく。 「ごわ゛ぃよおおおおおお!!・・・おごごごあががが!!」 メキメキベリベリベリ・・・ 「おぎゃあザあアぁぁっぁあぁっあっ!ごがぁぁ!!」 パーン・・・ 「もうやだああああ!おうぢがえぇエぇぇエレエレエレおごォぁ!!」 グチャ・・・ 快音が響き渡る。しばらくするとゆっくりプレイスからゆっくりが居なくなり、辺りは風の音だけが響いた。 巣に戻ったゆっくり達は安心していた。ゆっくりプレイスにいなければ死ぬ事は無いと考えたからである。 しかしそれはただの思い込みである。 ゆっくり達の巣からは相変わらず快音が響いている。それは昼夜問わず鳴り響いた。 そして数日が過ぎた。 「こ、これは凄い・・・」 村の人々はゆっくりプレイスを見て思わず息を飲んだ。 そこには散乱した餡子やゆっくりの体の一部、真っ黒に朽ち果てたゆっくりの死骸、そしてそれに群がる蟲達。 ここまでうまく行くとは村の人々は思っていなかった。 「どうです?凄いでしょう♪」 満面の笑みを浮かべ、ゆっくりプレイスを進んでゆくお兄さん。 「この近くにドスまりさの巣があります。そこも行って見ましょう♪」 そう言ってお兄さんはっくりプレイス近くの大きな洞窟まで来た。 奥から何やら呻き声が聞こえる。お兄さんは洞窟を進んだ。 「うぅぅ・・・どうしてこんな事に・・・うぐぐぐ・・・」 そこには異様な姿のドスまりさがいた。 頭からは大量の蔦を生やし、胴体は不自然に膨れ上がっている。 なんと植物型と動物型両方のにんっしんをしているのであった。 蔦には推定100匹分以上の芽があり、胎内には推定30匹以上の赤ゆっくりがいる様だ。 お兄さんは 「おい!ドスまりさ!ここで何があったんだ!?」 と心配したフリをしてドスまりさに尋ねた。 「分からないよ・・・みんな急ににんっしんしてそのまま死んじゃったんだ・・・ お兄さん・・・まりさをたすけて・・・」 そう言うやいなやドスまりさは白目を向いて気絶した。 「おい!大丈夫か?起きろ!!」 声を掛けても起きる様子は無い。 そこでお兄さんは洞窟の外に居る村の人々に呼びかけた。 「このドスまりさを運び出します。手伝ってください。」 そういってこのドスまりさを助け出した。 数ヵ月後 「ここはまりさたちがみつけたゆっくりぷれいすだよ!ばかなにんげんはでていってね!」 「うげぇぇええ!!ぎゃあああああ・・・・・・」 「こんなところにいたんじゃゆっくりできないぃぃぃ!!おうちがえるうぅぅぅ!!」 「2度と来るんじゃないぞ!」 「うるさいばか!ゆっくりできないじじいはしね!!」 「ふう、まぁ2度と来れないんだけどな♪」 村のゆっくりの被害は激減したが、それでも別の山のゆっくりは来る。 その為村に侵入したゆっくりには改造手術を施し、野に返している。 「あのくそじじいもどすにかかればいちころだよ!みんなでむらをしゅうげきしようね!」 「「「「おーーーー!!!・・・・・オごご・・・うぐぇぇぇえええ!!!」」」」 ぐちゃり 今日も村は平和である。 ちなみにお兄さんに助け出されたドスまりさは、加工所でゆっくり養殖用として第2の人生を送っている。 「ゆっくりした結果がこれだよぉぉぉおぉぉおお!!!」 めでたしめでたし 「めでたくないぃぃっぃぃいいいい!!!」」 終 読んでくれてありがとうございました。 まだ慣れていない為、見苦しい点もあるかと思いますが、生暖かい目で見てやってください。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1239.html
序章 今、幻想卿にて注目を集めている「ゆっくり加工所」。野生のゆっくりのみならず、繁殖まで手がけ、人間、妖怪等を問わず好ま れる甘味を身近なものにした革命的な施設だ。 しかし、ある日そんなゆっくり加工所にて事件が起こる。 一人の新人作業員の管理ミスによって、ゆっくりをギュウギュウに詰め込んだ檻が開いてしまったのだ。 「ゆっくりーっ!!!」 今まで窮屈な檻の中に入れられていたゆっくり達は、歓喜の声をあげながら我先にと檻の外へ、そして、その部屋からいっせいに駆 け出す。通常、非常事の為に野生ゆっくり禁固室にて作業をする際は万が一のゆっくり脱出防止のため、禁固室そのものにも鍵をかけ る決まりなっているのだが、その新人は鍵をかけるどころか、ドアを半開きのまま作業をしていたようだ。(その新人は何でも上司が 脱税で捕まって職を失った元死神だとか---。いや、今はそんなことはどうでもいい) 加工所には緊急のブザーが鳴り響き、警備員や他の作業員がいっせいにゆっくりの回収に向かう。 とは言っても、ゆっくりの脱出はよくある話、ゆっくり達の体では、ドアノブすら満足に回せないのだから、どんどん捕らえられてし まう。 「やめて!おじさん!ゆっくりしたいよ!」 「おそとにでたいよ!ゆっくりさせてね!!!」 「ゆっくりさせてよー!!!」 ほとんどのゆっくりが捕らえられていく、しかしそんな中、命からがら別室へと逃げ込んだゆっくり達がいた…。 第一章 作業員、警備員の目をくぐり抜け、ゆっくり加工所の機械室と呼ばれる広い部屋に逃げ込んだのは、この四匹のゆっくりだ。 まずは、ゆっくりれいむ…ゆっくりまりさと並んで、最も数の多いゆっくりだ。かわいらしいのだが、どこか憎たらしい笑顔がポイ ントだ。 そして、頭に黒い帽子をかぶったゆっくりは、ゆっくりまりさだ。ゆっくりれいむと同じく、主に万人受けする餡子の原材料とな っている。 ゆっくりちぇん、「わかるよーわかるよー」が口癖の比較的すばしっこいゆっくりだ。 4匹目のゆっくりみょんは、顔立ちはゆっくりれいむによく似ているが、白い髪に飾り付きの黒いカチューシャがトレードマークで、 「ちーんぽっ!」などと、独特な鳴き声をあげる。 この4匹は、檻の中で何度も励ましあった仲で、硬い信頼で結ばれていた。 「みんなでおそとにでて、みんなでゆっくりしようね!!!」 4匹のゆっくりの、自由を手にするための冒険が今、幕を開けた。 機械室は、電球だけの薄暗い空間のうえ、蒸気のせいもあり視界が不鮮明となっているうえ、そこらじゅうに在る機器のせいで酷く 入り組んでいて非常に進みづらい。 そんな中、少しづつだが奥に進んでいく四匹のゆっくり達。ふと、ゆっくりちぇんが上を見上げると。 「ひかりだよ!わかるよ!でぐちがわかるよ!」 天井に近い壁の部分に、機械室の中に太陽の光を差しこませている穴がある。 「ほんとうだ!あそこまでいけばゆっくりできるよ!」 それは、まさにゆっくりたちにとっての希望の光だった。 その穴は、優に20mはあるだろう高さに位置していたが、幸い、作業員用の階段、足場、または、機械、そしてあたりに張り巡ら されたパイプの上を進んでいくことで、ゆっくり達は何とかあの光へたどり着くことができるであろうことを、認識した。 「いこう!」 「はやくみんなでゆっくりしようね!!!」 あの楽しかった森や草原へ帰ることができる…。ゆっくり達は希望に胸を膨らませ、階段を登っていく。4匹のゆっくり達はぴょん、 ぴょんと足場から足場へと軽快に進んでいく。外に出ることができるという期待感が、ゆっくり達の歩みを後押ししてくれているのだ ろう。 しかし、ゆっくり達はある足場で、立ち止まることになる。 「ゆっくりとべるかな?」 その足場は、次の足場であるパイプまでの距離が若干長く、ゆっくり達のジャンプ力では届くかどうかが微妙なところであった。 「ゆっくりとぶよ!!!」 声をあげたのは、ゆっくりちぇんだ。この4匹の中では一番ジャンプ力のあるゆっくりだ。 「ゆっくりがんばってね!!!」 「わかるよーとべるよー」 自信満々のゆっくりちぇん。 また、他の三匹がこんな切羽詰った状況で、しかもほんの30分前までは檻の中で絶望に打ちひしがれていたにもかかわらず、「ゆ っくり、ゆっくり」等と言ってられるのは、ゆっくり達の低い知能ゆえの性質だろうか。しかし、そんなゆっくり達の明るいムードは、 これから起きる光景を目のあたりにして砕けることになる。 ぴょん!と跳ぶゆっくりちぇん。その跳躍は、パイプへと着地するには十分だ。 見事、ぷにんと着地するゆっくりちぇん。 しかし、 「ゆううううううううううーーーーーーーーーっ!!!?」 着地した瞬間に悲鳴をあげる、ゆっくりちぇん。 「ゆっくり!?」 何がなんだか理解できない、ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ゆっくりみょん。 今までゆっくり達が足場にしていたパイプは、排水を送る為のパイプで、足場として何の不自由のないものだった。しかし、ゆっくり加工 所に通っているパイプはそれだけではない、そう、ゆっくりちぇんが着地したそのパイプは、工場内の機械から発する高熱を逃すための、 パイプだったのだ。そのため、パイプは常時超高温となっており、大抵の大人の人間ならば、見ただけでもそのパイプが危険なものだとわかるだろ う。 「ゆぐぐぐぐぐぐggggggーーーーーーーーっ!!!」 超高熱によって苦しみもがくゆっくりちぇん。もし、周りで見ている人間がいるなら、はやく別の足場に飛び移ればいいじゃないか、と思うかもし れない。だが、既に着地の瞬間の重みで、ゆっくりちぇんの体は、キンキンのパイプに焼きついてしまっていたのだ。 「はやくもどってね!!!はやくもどってね!!!」 尋常ではないゆっくりちぇんの叫び声に、3匹のゆっくりは声を張り上げる。 「わからないよ!!!わからないよおおおおお!!!」 絶望の雄叫び、何故自分がこんな目に遭うのか、ゆっくりちぇんは理解できない。 体の底を固定され、もがき苦しむだけのゆっくりちぇん。 後ろで見ている3匹のゆっくりからは、ゆっくりちぇんの凄まじい形相は見えてはいない。それが逆にゆっくり達に恐怖を与えている。 そして次の瞬間、何と、ゆっくりちぇんの体がブクブクと膨らんでいく。 「ゆヴヴヴヴヴヴうううううぶぶぶブブブブブブウbーーーーーーーーっ!!!!」 パイプの高熱によって、ゆっくりちぇんの体内のゆるい餡子が沸騰したのだ。ただ膨らむだけではない、体がボコボコと醜く膨張していく。 「ゆっくりしてね!!!ゆっくりしてね!!!」 目の前の光景が理解できず、混乱し、目に涙を浮かべながら叫ぶ3匹のゆっくり。 そして---。 バアアアアアアンッ!!! 爆発するゆっくりちぇんの体。 飛び散る餡子、皮………。 「ぢぇぇぇーーーーーーーーん゛!!!」 飛散した餡子がゆっくり達に襲い掛かる…が、幸い距離が離れていたため、わずかな火傷ですんだ。 悲しみを受けるゆっくり達。 「もっといっしょにゆっくりしたかったよ!!!」 友達を失った……。それだけではない、残されたゆっくり達はまた、戻って別のルートを行かなくてはならないのだ。 続く